ウチらの命、なんぼなん？
「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督が、国を相手取って損害賠償を求める裁判を起こした石綿（アスベスト）被害者とその家族の8年に及ぶ裁判闘争を記録したドキュメンタリー。この作品で「表現者」ではなく「生活者」を映すことにこだわった監督。今までのようなキャラクターの濃い人はおらず、全体的に地味なのですが、裁判の途中で、次々と亡くなっていく原告たちの姿は、非常に重く、見ている人に確実に何を残すドキュメンタリーです。役所の人たちとのやりとりからは、立場が変わればそれぞれの正義も変わってくることがまざまざと捉えてあり、そこを切り取る原監督はやっぱりすごいなと思いました。(2020年鑑賞＠u-next)
