ニッポン国 vs 泉南石綿村の作品情報・感想・評価・動画配信

「ニッポン国 vs 泉南石綿村」に投稿された感想・評価

STARLET

STARLETの感想・評価

4.8
鑑賞記録

予告編

https://www.youtube.com/watch?v=JN6_sA3aLWY
Moomin

Moominの感想・評価

4.6
想像の三倍長かった
かつてある地域で栄えた石綿産業
しかし石綿の別の名は「静かな時限爆弾」と言われ、数十年後の時をかけ肺の細胞を壊していく恐ろしい産物
今回はその被害者となる、かつて工場で働いていた者やその近親者が国に訴える話

前半は説明や登場人物の多さに中々ハマり込めないが、後半から話が広がっていきぐっと面白くなり、原監督の手腕が垣間見える構成

民間が国に立ち向かっていく構造
労力は勿論時間が非常にかかる事案、それに対比するように被害者の年齢も高齢になり被害が増し続ける現状を一つ一つ切り取っていく その姿は制作陣もこの大きな社会問題と向き合い、長い時間をかけて制作したことが自ずと分かる
その良さが後半の原さんの剥き出しの演出の味を出していたし、1つの大きな社会問題に取り組む上での制作側の態度が伺えた

流石に国の上層部との戦いとなると、感情だけで事が進むこともいかず、度重なる壁の多さが印象的だった。特に厚労省との対話はこれでもかというほど執念に撮影、構成されていたのでなるほどという感じ

こういった社会問題と向き合う話は「阿賀に生きる」などの様な日本権力の大きさを前にして悔やまれる形の終わり方が多い印象だが、今作は違った しっかり最後まで戦い抜いた。が、それが正解であったか否かは定かではない 誰もが納得する結末なんてないこの世の中を表してるかのような、考え過ぎか。
kanekone

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4.2
長さを感じない傑作ドキュメンタリー。特に柚岡さんの暴走が始まる後半が最高。国と戦う困難さを思い知らされる。被害者や原告団の中にも色々な考え方が混在してるのがなるほどと思わされた。
被害者である原告の方々も一枚岩ではなく、思い、行動の違いが興味深かった。特に代表の柚岡さんのバイタリティが凄く、危なっかしさを感じながらも、ワクワクした。
佐藤美代子さんの旦那さんの国を訴えることは自分の人生を否定する事になるという考え方にハッとさせられた。
3時間強のドキュメンタリー。
「ゆきゆきて、神軍」の原一男。
ぷりん

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3.4
前半は平凡なインタビュー集だが、原一男好みの取材対象が現れてから一気に映画の熱量が増していく。
板挟みの官僚に少し同情しつつ、クニという概念の難しさに思い至る。官僚や大臣はクニではない。クニを相手に戦うということが内包する困難。
映画を観る。国相手に争うのがどんなに厳しいことなのか。長い。怒りの原一男。
自宅で観ましたぁ〜。

アスベスト公害。
国に対する賠償を求めた裁判。

最高裁まで、
裁判が長引き、結果は出た。

しかしながら、
全てを認めるわけではなくて、
一部の責任を認め、
手打ち的な感じとなる。

そもそも、
戦争犯罪人?的な、
誰が当時この問題を放置したのか?
とか、
根本まで、言及ができない。

では、
その事が原因で亡くなった方は、
それが運命?
ではないはずで、
人員的に作用した、
死なのではないか?


なんて事を考える。
ほんとに。

怒りという言葉をひしひしと感じてくる。


やっぱり映画は面白い🤣
OASIS

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4.0

このレビューはネタバレを含みます

原一男節が抑え切れずやがて溢れ出る215分。
前半はインタビューメインで、後半になると柚岡さんが後半になるとゆきゆきて神軍の奥崎謙三ばりに暴走して行き目が離せなくなる。
3時間半もあるのだが、体感は2時間半くらいで厚労省役人らとのやりとりが始まる辺りから熱量がぐんぐん増してきた。

厚労省の役人たちがいくら怒鳴られても全く上層部に会わせようとせず、何度も同じ意見を持って帰って来るのは呆れを通り越して笑えた。
柚岡さんの暴走っぷりは確かに目に余るが、その主義主張は一貫してブレはなく、彼をそうさせてしまった政府の対応について怒りを抱かせた。

裁判が長引くにつれて原告側の罹患者が亡くなりどんどんとその数を減らしていく。 
どの被害者も味がある人ばかりで手書きのイラストが温かみを与える。
曝露してしまったことに対しての悲惨さは感じられず、諦めや後悔から来る楽観さが映画全体を包んでいた。
メッシ

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3.9
アスベスト被害が著しい南泉の工場で働いていた人々と国との裁判を中心としたドキュメンタリー。

とはいうものの、後半にかけて一気に原一男監督らしさ全開だったと思う。

何せ3時間半超えの長尺。
で前半は原告の方々のインタビュー中心で、ある種の距離を感じてスタイルが変わったのかとすら思ったが、さにあらず。

後半一気に葛藤し、意見が相違し、そして揺れ動く個に照準を絞って映し出し、さらけ出させる。

それはとても意地が悪い。その意地の悪さが如何にも監督らしくて、やっぱり面白い。

壮大な前振りとしての前半と捉え、後半は濃すぎる個を追いかけ回している印象。

とはいえ知らない知識を充分得られたし、長い長い裁判の終結のディテールも触れられて良い。

健康被害にあった方々は本当に気の毒だ。
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