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イカロスのtuttleのレビュー・感想・評価

イカロス(2017年製作の映画)
5.0
記憶に新しいロシアによる国家ぐるみのドーピング報道を扱ったドキュメンタリー。
アマチュアサイクリストでもある監督が、アマチュア界において最も過酷なレースでドーピング検査をすり抜けることは可能か?を検証するドキュメンタリー映画の撮影に乗り出すが、協力者であり科学者のグレゴリーとの出会いによって巨大な陰謀と対峙する事態に巻き込まれていく。
全体主義ディストピアを描いたジョージ・オーウェル『1984』になぞらえながら、自らも加担した不正の告発とその代償を記録する。
監督とグレゴリーの豊かなキャラクターや2人の間に生まれる友情、文学的に語られるドラマティックな展開は質の良いディストピア作品のそれであるが、2016年の現実であり今もなお収束に至っていない事件の経過報告的作品。
「オーウェルを思い出せ。"いつの日か暗闇などない世界で会おう"」
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