戦慄のドキュメンタリーに震え上がった。
一人のアマチュア自転車選手がドーピングで自己の身体能力を高める個人的な実験のくだりから始まって、実験に協力してくれたロシア反ドーピング機関所長のグレゴリーと仲良くなっていく過程が微笑ましいんだよね。
それが途中でグレゴリーがオリンピックでのドーピングシステムに関わっていたスキャンダルが明らかとなってから大変なことになって行く。
やがてこのドーピングが国家ぐるみの政策ということが暴露されて行って、グレゴリーの身に危険が迫るあたり、ソ連時代からのロシアのやり方を知ってるだけに恐ろしかったね。
冒頭ジョージ・オーウェルの言葉に始まり、「1984年」の学習・理解・受容の3段階によって嘘で塗り固められたロシアのオリンピックの現状を見せるのが上手かった。
これだけはっきりした証拠を突きつけられてるのに、政府が頑として認めないというのが虚しくなるね。