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キラー・メイズのYSKのレビュー・感想・評価

キラー・メイズ(2017年製作の映画)
2.7
簡単に言うと「自我をもち、成長し続ける迷路の謎を解き、脱出するサバイバルゲーム」のはずなのに全てが段ボールだから何も全くこれっぽっちも緊張感がありません

登場人物はがんがん死ぬし、迷路の罠にはまってずたずたに切り刻まれようと、出てくる血しぶきが赤い紙テープだかビニールひものせいでどうも微笑ましい
そもそも出てくる人たちだって、主人公はあふれ出る衝動を段ボールにぶつける変人だし、その親友は「彼は人生で初めてひとりで成し遂げたんだ!」とか見当はずれのこと言ってるし、段ボールに詳しい人って言われて連れてこられたのがホームレスだし、噂を聞きつけた映像班がドキュメンタリの撮影にくるし、そもそもあのカップルはどこから出てきて何しにきたんだよ!

そもそもあまり知らていませんが、柔軟性と頑丈さをあわせもった段ボールの利便性は様々な使い方が研究されており、日本でも本城二三男博士が段ボールだけで家を建てたり戦車をつくったりしたことは有名ですよね

ストーリーとしてすごく目新しいものがあるわけじゃないので、完全に発想の勝利というか、これをリアリティのある映像でつくろうとしたら途端に埋没しそうな気がしますが、チープさとコミカルさと迷路のギミックは見て損はしないと思います
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