いい映画って冒頭で何かしら興味を引かれる要素があると思う。有る無しで魅入ってしまうか、流して観てしまうか、決まる。自分の場合、そういうことが多い。いくら好きな原作の映画化でもやっぱりダメなときもあるわけで。本作は自分が大好きな押切作品の映画化だった。観たい観たいと思っていて、ようやく観ることが叶った。
原作漫画と初遭遇したときも絶句したんだが、この映画も絶句させていただいた。いやはやきちんと原作を忠実(映画的脚色は勿論あって、原作まんまトレースって訳じゃない)に再現していたのだもの。
いじめに端を発する凄絶な復讐、心の拠り所を失くして崩壊していく登場人物達。雪景色に朱黒い鮮血が飛沫を上げる美しいこと美しいこと。
主役の山田杏奈もすごいなあと思ったんだけど、やっぱ物語を揺さぶるキーパーソンを演じた大塚れなが凄かった。
絶望の中に微かにしか希望がないラストもたまらなかった。
雪の中から武器を調達する主人公のスキルはちょっといただけなかったけどね。
