"怒りは怒りを来す"
9ヶ月前に起きた少女がレイプ焼死する事件を悔やむ母親ミルドレッド、事件が好転しないことに憤りを感じた彼女は広告看板を立てて警察に抗議する…
フランシスマクドーマンド、ウディハレルソン、サムロックウェル出演アメリカ社会問題を背景にしたヒューマンドラマ作品。今作は凄惨な事件を背景にしながら予測不能な展開に驚かされハラハラさせられました。フランシスマクドーマンドの社会に対する憤りを持ち何をするかわからない不安定さ、サムロックウェルの粗暴でキレやすい演技が展開に拍車をかけていて良かったです。
しかし本作は単純な母親の復讐劇ではなかった。怒りという感情を静かに表現しつつも人は変われるというメッセージを投げかける監督の意思が伝わります。その点はラストシーンに繋がり、復讐劇が主題ではないのだなと改めて気付かされる。でも本当は最後まで行く末を見たかったと思ってしまいますね…
全体を通して予測がつかない展開ながら全てが繋がっている脚本が素晴らしかった。俳優たちの演技も流石の一言。
