ゆっけ

スリー・ビルボードのゆっけのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
人は変われるのか?をテーマに、
三者三様の苦悩を持った人たちのそれぞれを描く。

何者かに娘を殺されて、最悪な別れ方をしてしまったことに自責の念にかられる母親。
家族からも愛され、人望厚いが、自身の病に悩む署長。
そして、人種差別主義者でマザコン、バイオレンスな警察官。

この3人がどんな悩みを持ち、そしてそれに対してどう行動していくか?
悩み苦しんだその先に、何が待ち受けているか?その結末も含めて全く先が読めず、
なんとも言えない気持ちにさせます。

正直な話、上記の3人に全く共感できませんでした。
何しろ、その悩みがどれもヘビーすぎて、普通の人生送っている人にとっては共感しにくいものだから。
唯一、署長だけは、誰しも起こりうる”あること”が悩みなので、共感しやすく、感動するポイントになっているかと思います。
(後は、あの広告の人ですかね。。カワイソウだし、あるシーンは良いひとだと思うので)

もう一度書きますが、この作品は、切ないという感情というより、
何にも言えない、そんな気持ちだけ残って終わります。

でも、決して相容れないハズのこの3人が、表面的ではなく、
心の奥底でつながっていく、それがそれとなく示されるとき、
ジーンと感動してしまいます。

多分、すっきりはしない映画ですが、
ラストは良い終わり方だったなと思いました。


本年度アカデミー賞作品賞はじめ、7部門にノミネートされています。
助演男優賞をこの作品で、2人もノミネートされていて、
署長演じたウディ・ハレルソンも良いのですが、ディクソン巡査役のサム・ロックウェルがすごく良かったので、
取って欲しいなと思いました。


■ジャンル:シリアス,サスペンス

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・鑑賞理由:アカデミー賞ノミネート作品,口コミ
・脚本:★5
・キャスト:★5
・要素(しんみり)
・好きなシーン:病院でのシーン(ジュース)
・誰と:一人で夜中に、静かに観てください
・どんな人に観て欲しい?:途方もない憤りを感じている人
・いつ(どんなとき):どうしようもない現実があって、誰にも安っぽい励ましを受けたくないとき
・どういう気分になる?:暗くなる
ゆっけ

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