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スリー・ビルボードのsoramameのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
5.0
娘を殺された母親が、社会と警察に斬り込んで行く映画、、、ではなかった。
そこが良い。
彼女の怒りは、そんなものではなかった。
全てを投げ打ってでも、復讐を果たす覚悟。
娘に対する強い後悔と、深い愛。
ミルドレッドがもの凄くカッコイイ。
強くて怖いものなし。
とても哀しく、寂しく、時々可愛い。

怒り、炎、赤いモチーフ。
ずっとドキドキしながら観ていた。
悪者は悪者でなく、人間らしく、それぞれ愛に溢れている。
「怒り」や「赦し」を感じるシーンが多かったけど、特に「赦し」のシーンはたまらなくて、泣けた。
思っていたよりもエグみは少ない印象。
案外ブラックユーモアなシーンが多くて、毎回フフッと笑わされた。
何より、ディケンズが良すぎた。
狂ってる。。笑
可愛いというか、なぜか愛おしかった。

かなり暴力的だし汚い言葉の応酬。
なのに、映画全体を包む愛みたいなものがあって、それが本当にクセになる映画だと思う。
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