映画の味方あっつマン

スリー・ビルボードの映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.9
ミズーリ州の片田舎の町で、何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な3枚の広告看板を設置する。それを快く思わない警察や住民との間には埋まらない溝が生まれ、そして事態は思わぬ方向へと転がっていく——。

怒りが、怒りに火をつけて、どんどん燃え上がる。

登場人物の大多数はクソ野朗で、独善的。いい奴は、一人くらいしか出てこない。

愛すべきクソ野朗どもは、みんな痛み分け。愛せないゲスは…。こういう型にハマらない映画は、好物だ。

善悪がはっきりしていて、予定調和な作品に飽きていたら、本作は良い意味で刺激的だと思う。モヤっとするだろうけど。

✳︎ ✳︎ ✳︎

本作はLGBT、人種差別、ジェンダーと昨今ハリウッドの関心が高いことの全部乗せだ。アカデミー賞作品賞の「シェイプ・オブ・ウォーター」もそうだけど。そういえば、昨年の作品賞「ムーンライト」もそうだった。ちょっと露骨な気がする。