霧が立ち込め、車の通りもほとんどない田舎道、三昧の廃れた看板。事前情報なしで見たら序盤から重苦しい雰囲気。娘が殺された事件が進展しないもどかしさと憤りの警察への田舎には不釣り合いな真っピンクの広告。
娘の死に囚われる主人公。みんなから慕われる余命わずかな警察署の署長。母の権力に怯える警察官の息子。
最初看板を見て「これは復讐劇か?」と思ったけど、ぎゅっと抱きしめるわけでもなく優しく包み込むような優しさと、傷を痛みを優しく撫でるような人たちがとても心地の良い映画。
やっぱり優しくされないと優しくすることも忘れてしまうように、温かさに触れていないとその温かさも忘れてしまう。
人は簡単には変われないし、変わらない。けれど、人の言葉で気づいたり少しでも変われることってあると思う。不器用な人たちが自分たちなりの歩幅で優しさを出す映画でした。