ちゃんみな

スリー・ビルボードのちゃんみなのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.5
ドラマ映画


娘をレイプされた上に焼かれたミルドレッド。その犯人がなかなか捕まらないことを抗議するためにミルドレッドは警察を挑発するような広告を町外れに大々的につくる。所長であるウィロビーの自殺、レイシストでどうしようもないやつだったディクソンが改心していく様子、ミルドレッドの暴れ具合が描かれる。最後はディクソンがバーで犯人らしき人物を見つけ、証拠を掴むもミルドレッドの娘を殺した犯人ではないという結果に。しかしそいつは犯人ではないにしろレイプ魔であることは間違いないから2人で殺しにドライブするところで終わる。


見てる間はなんだこの救いのない映画は?!?!なった。暗くて重たい雰囲気がずっと続く。ラストシーンだけちょっと明るくして終わってなんですか???って思ってしまった。ストーリー自体は飽きたりはしないで引き込まれた。


見終わった後に他の人の感想や解説を読んでハッとさせられた。犯人探しに焦点を当てて見るのではなく、『あの街』に焦点を当てて見るべきだったんだ。


映画の舞台がミズーリ州でなければいけなかった理由。保守的な街であり、人種差別が根強く残る。その一方でミズーリ州に住む白人も他の白人からの差別の対象であるということ。そしてそのヒルビリーと呼ばれる彼らに焦点を当てた映画であるということ。


改めて映画は知識がなければ楽しめないものであると実感した。



2017年 アメリカ・イギリス
マーティン・マクドナー監督