みおこし

ダンボのみおこしのレビュー・感想・評価

ダンボ(2019年製作の映画)
3.3
ディズニーの実写化ラッシュが止まりません!2019年の実写化1本目は『ダンボ』。

そもそもダンボのオリジナル版の持つあの独特な雰囲気や世界観は、他のディズニー作品と比べてもかなり異色な気がしていて。ピンクの象に代表されるシーンやジャンボとダンボが引き離されるシーンなど、子供にとってはトラウマになり得るシーンもいくつかあって、現代のアニメーションと比較してもやっぱり強烈な印象。1941年という時代だからこそ実現できた映画な気がしています。

そんな作品を現代に蘇らせるのは至難の技だし、実写化ということでアニメ以上の工夫を加える必要があったのは十分理解しつつも、今回の実写版は個人的には後半から突然失速してしまった印象でした...。
本物のケイシー・ジュニアが颯爽と走っていくオープニングからもう最高で、ティム・バートン節もしっかり入った上であの世界観が繰り広げられていくから前半は非常に楽しめました。細かいところだけどちゃんとダンボが生まれるシーンでコウノトリが空を飛んでいたり、ダンボがお風呂に入るシーンがあったりと、アニメ版へのオマージュの連続。唯一ピンクの象のシーンは取ってつけた感があって、嬉しい反面少し違和感でした...(笑)。
あのゴツゴツのお肌の質感までしっかり再現されたダンボの風貌もとっても可愛らしくて、名場面の「ベイビー・マイン」のシーンは案の定号泣。耳のことでみんなにからかわれ、さらにはお母さんからも引き離されちゃうなんて改めてダンボって可哀想だなと...。

と、良い点に関して枚挙にいとまのない前半から、オリジナルストーリーが加わった後半が突然味気ないものに感じられてしまい...。家族の絆、富より仲間、ハンディキャップを乗り越えるなどなど、熱いメッセージは伝わってくる一方で、ラストのダンボ救出作戦は無理やりすぎる展開の連続で、個人的にはダンボの飛行に"とある要素"を足した点が受け入れられず...。誰しも一度は思いつきそうですが、実行に移すとはまさか思わなかったので(笑)なんだかあのシーンで一気に冷めてしまったのは否めません。
人間がたくさん関わってくるよりも、無難にダンボの活躍だけを見たかったなあと。アニメ版のハイライトが中盤あたりで終わってしまうので、オリジナルファンとしては前半で何かが途切れちゃうと感じてしまうのは仕方ないのかもしれません。

私の初恋の人、コリン様ももうお父さん役を演じるようになったのですね!(笑)エヴァ姐さんのブランコ乗りの役はこれ以上ないハマり役で素晴らしかったです。
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