かずシネマ

八つ墓村のかずシネマのレビュー・感想・評価

八つ墓村(1996年製作の映画)
3.2
出オチ感のある出要蔵。
モノクロ2階調の画面に血の赤のみに色がついている。

金田一シリーズの中でも、登場人物の多さや複雑さ等からこの「八つ墓村」は特にカット改変が当たり前だが、こちらの作品はとても分かりやすく仕上がっている。
ただ、最後の方(犯人の言い分を聞く場面)で2時間サスペンスの「崖の上」的な雰囲気になり、少々だらけて安っぽくなる。ED曲も作品に合っていない。
あと、他の映像作品よりもタツヤが割りと精神的に元気な様子で安心する…w

話の分かりやすさや金田一の推理その物よりも、おどろおどろしい怪奇な雰囲気や作中使用される音楽の良さを求めるのなら、松竹の渥美清版をオススメする。

トヨエツは喋り方に癖があるが、この髪型や服装が非常に似合っているので、もう1作くらいは彼の金田一も見たかったなぁ。
…喋り方が金田一っていうより若干古畑っぽいと思う場面があったが、そんな風に思っている中で今泉くん(西村雅彦)が出て来て吹くw

流石の市川監督なので画がめちゃくちゃ綺麗…。
特に兄ちゃんの初七日場面直前の、深く暗い青い夜空に三日月が出てお屋敷が映っている画が。日本昔ばなしみたい。
トヨエツ金田一の初登場シーンも雰囲気あって良かった。
奥の山や木々が霧で霞んで薄暗い中、向かって右に蔵の様な建物、左に畑があり、中央の道に小さめにほぼシルエットしか見えない金田一がこちらに向かって歩いて来る…素敵だった。
ミヤコの染織アトリエも綺麗だった。
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