そら

ブリグズビー・ベアのそらのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.1
Filmarksで、見知らぬどこかの誰かがベストムービーに選んでいたのと、97分ということもあり鑑賞。無論、期待はしていない。
予想とは裏腹に全然面白かった。

まず、序盤の不気味で気持ち悪い雰囲気が最高だった。何かがおかしい、しかしその何かが言語化できない不快感。私の知らない映画制作のテクニックがふんだんに盛り込まれているからこそ成せる業だと感じる。
もっと映画を知りたいと心から感じさせてくれた。

97分ということもありテンポが非常に良い。起承転結がはっきりしていて、絵に描いたような映画だった。
こういったド直球のアメリカコメディ映画は好みでは無かったが本作は面白かったし、非常に好きな部類。
キャラクターはほとんど全員共感できたし良い人ばかりで大好き。ギャグも大満足だ。

しかし、気になった部分も山ほどある。
まず、犯罪者の動機だったり目的が全くわからない。ネタバレになるためあまり深くは言えないが
「なぜ観せ続けたの?」
「なぜそんな教育を?」
一個気になり出したらもう止まらない。ゴキブリのように疑問が湧いてくる。
犯罪者の心情なんてわからなくて当然だと思うが、いくらなんでも謎すぎる。映画的価値はこういったところの積み重ねだろう。
また、更生施設の友人についても全く深掘りされていないし、1番都合が悪いタイミングで警察が来るのもちょっとよくわからない。
そう言った点が非常に浅い。脚本がしっかりと練られていないのがスケスケだ。
現実味に欠けるし爆発力も欠ける。とにかく気になった部分を書き出したらキリがない。

「3.9くらいかな〜」と思っていたが、その評価を4.1まで引き上げたのは他でもない、ラストシーンだ。最高の一言。
恐らく誰でも共感できる感動と圧巻のラストだった。
主人公の場合はブリグズビー・ベアだったが、ある人は孫悟空、ある人はプリキュア。私はドラクエの勇者だ。
誰しもが持っていたのに、大人になると自然と忘れてしまう心の中のヒーロー。私も忘れてしまったその1人。
大事なことに気づかせてくれてありがとう。
良い映画だった。
そら

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