題材は凄くいい！
誘拐されていたという設定はともかく、好きなものをとことん好きだが、それを悪いものとして周りから理解されず勘違いされるその状況と心境は痛いほどわかる。
こういう映画にいがちの憎きカウンセリングババアもしっかりいるし、親からの干渉もある。
いいっちゃいいんだけどその面だけで全体的に観ると感情移入できる部分とできない部分がありかなりアンビバレンス。
今となっちゃもうゾンビ映画や特撮モノ、スペースオペラなどを好きと公言することに対して異常者やら子供っぽいとかいう戯言をぬかす奴はだいぶ少なくなってはきていると思うが、それでも映画で語る上では多少なりとも敵を増やしてよかったのでは？？と感じた。
同年代でゾンビ映画やらを楽しく語れる仲の友人が自分にはなかなかいないため、今作の彼の環境は非常に恵まれていたと思う。
その部分が今作の核のテーマではないのは重々承知の上だが、だとすると中途半端な『桐島、部活やめるってよ』の前田くん話。
あと最後に映画的な表現として主人公にしか見えないブリグズビーベアが出てくるが、それももっと多いほうがストーリー的にも主人公の異常性というか、後遺症(？)がより強調されてよかったのでは？？とも感じる。
一つこいつめんどくセーなと思われても仕方ない事を言うと、主人公のブリグズビーベアに対する異常な愛情を語るたびにそれがどこかおかしなシーンとして編集され(設定、演出上それは仕方ないことではあるが)
その度に映画館で笑いが起こるのだが、自分にはそれを語る主人公の気持ちが痛いほどわかるのでなんかバカにされて気難しい状態になった。
本当にそういうとこダルいなぁと個人的に思うけど。
素直に楽しめないプロットだったので熱くなってしまった！
一見低予算のクソ映画でもその裏では計り知れないほどの愛情や情熱が詰まってるということを再確認し、改めてそういう部分が大事であり、そういうのこそ観る価値のある映画や本や音楽であると個人的に強く思った。
