木村優希

ブリグズビー・ベアの木村優希のレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.5
面白いなあ。
まさかあの始まりからあの結末に行くとは思わなかった。

実の両親だと思っていたのは誘拐犯で、ずっと部屋で観ていた教育番組の『ブリグズビー・ベア』は親が作った自分しか知らない偽番組だった。ーーーーー

誘拐犯から救出されて実の両親の元に戻ってギクシャクする様子は『八日目の蝉』のよう。
でも日本映画なら暗くなりそうな設定が、暗くならない。
逮捕された親がもう番組を作れないので、それなら自分で続きを映画にしよう!と新しい世界で出会った人達と映画を作る。
何も知らないところから一生懸命に学んで好きなことをしたいとキラキラする主人公に、どんどん前のめりになっていきます。

終盤の「映画を完成させるんだ!」と仲間と楽しそうに話している主人公に、「ああ、上手くいってほしい!」とうるうるします。

彼にはブリグズビー・ベアが全てで、ブリグズビー・ベアのいない世界は彼には考えられなかった。
でも映画が完成した時、彼は今までの人生から新しい自分へと生まれ変わります。

ブリグズビー・ベアとは彼自身であり、彼の人生であり、彼の親であり友人であって、だからこそ映画として記録することが、ある意味でのエンディングノート的な役割を果たしていたんだな、と思いました。

周りのお客さん、ズビズビしてました(かくいう私も)。
マーク・ハミルがまたとても良かった。
ヴォーゲル刑事、どこかで観たことあると思ったら、『リトル・ミス・サンシャイン』のお父さん!とても良かった!!

ああ、良い映画を観た。
木村優希

木村優希