Larx0517

セブン・シスターズのLarx0517のレビュー・感想・評価

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)
3.7
行方不明の「自分」を探す。

設定が面白い。
人口爆発の食料源として、収穫量を増やすのために遺伝子操作された作物。
それを食べることにより、多産児が急増という皮肉。
そのための一人っ子政策。

遺伝子操作された作物。
一人っ子政策も、中国で行われていた。
戸籍上存在しない子供も実際存在していた。
SFディストピアと言い切れない、身近な恐怖に背筋が凍る。

ノオミ・ラパスの7人役。
ストーリーが進行するほどに、それぞれのキャラクターが立ってくる。

脚本が良くできている。
設定で引き込み、サスペンスを絡めながら、テンポ良く展開してゆく。
特に後半からの、並行して進行する叩き込むようなアクションの連続。
しかもそれぞれ散らばって、七つ子の個性が際立ってゆく。

近未来でありながら、ルーマニアで撮影されている。
俳優陣も、スウェーデン出身のナオミ・ラパスを筆頭に、監督の出身国ノルウェー人、オランダ人、ヨーロッパ系を多数起用。
それらがスパイスとなり、他のハリウッド作品とは、少し毛色が異なっている。

久々の「拾いモノ」良作に出会えてご満悦。
これだから、「映画漁り」はやめられない。
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