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007/ノー・タイム・トゥ・ダイのyukacafeのレビュー・感想・評価

4.5
これまで何度も公開延期され、待ちに待った本作を初日に鑑賞。大好きなイタリア南部の街、マテーラが映っている予告編を観た時から期待しかなかったが、ダニエル・クレイグ版のラストを飾るに相応しい、あっという間の163分だった。

007デビューはダニエル・クレイグ版という新参者の私でもわかるくらい、冒頭からこれぞ007というわくわくするシーンの連続だ。一気に物語に引き込まれる圧倒的なアバンタイトル、世界各国で繰り広げられるアクション、MI6での会話劇や秘密兵器、ボンドガールとのラブロマンスなど、007ワールド全開で、すぐには消化しきれない程。

中でもマテーラでのカーチェイスは圧巻で、迷路のような路地でよくあのシーンを撮影できたものだと感心してしまった。旅に出たくても出られない今、心だけでも連れ出してもらえるような感覚を思う存分味わえた。

一方で、これまでのボンド像が打ち砕かれるような展開もあったりして、特にその切ない結末は長年のファンこそ受け入れ難いのでは、と思ったりしたが、エンドロール後のメッセージを信じたいと思う。

「ブレードランナー2049」でその美貌に圧倒された今回のボンドガール、アナ・デ・アルマスは、短い登場シーンながらも鮮烈な印象を残すキャラクターを活き活きと演じていて、すっかりファンになってしまった。

ダニエル・クレイグ版のボンドをスクリーンで味わうことができるうちに、何度も劇場に通うことになりそうだ。
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