『時間はいくらでもある』
スペクターとの遺恨を残しながら現役を引退したジェームズ・ボンドは、旧友のフェリックス・ライターからの依頼を引き受けたことから図らずも再び壮絶な闘いに引き戻され…というお話
見始めたところから何となくエンディングまで見えてしまうというか…本当に寂しい
15年前、クレイグ版ジェームズ・ボンドがデビューするとずんぐりむっくりだーだの、田舎臭がすごいーだの、まーコテンパンにやられたんです
確かに見慣れたスマートでニヒルで黒髪のジェームズ・ボンド像とはかけ離れていたのかもしれません
しかし、その野生味と人間味、強さと知性、優しさと危うさを備えた彼は、どこか親近感があって、新しい時代の正しくジェームズ・ボンドなのでした
決してキレイな手で正論を語らず、自ら地獄に飛び込み、いつも誰かのために、目には目を、血には血で返したヒーローでした
いつものように、スーツをビシッと決めて登場するもいつの間にか埃だらけで血塗れの彼は本当にこれで最後
そのほんの僅かな時間に、精一杯の愛を伝えた彼の顔が頭から離れません