mappii

顔たち、ところどころのmappiiのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
4.5
なんて素敵なドキュメンタリー!
胸いっぱいで、ため息出るくらいむちゃくちゃよかった!

“偶然こそ最高の助監督”

写真を撮って、大きな壁やお家やオブジェなんかに写真を貼るだけのドキュメンタリーではあるんだけど、それ以上に、人との出会いが面白い。

写真は動かないけど、それを取るまでの出会い、その人が見せる表情にたどり着くまでのその人の人生、写真を貼るその場所への想いがその1枚に現れ出る。
それを追っていくのが興味深かった。

どの場面での出会いも印象的だったけど、特にしわしわのおじいちゃんとの出会いが強く印象に残ってる。
話だけ聞いてると、なんかちょっと老害っぽい感じもするけど、彼の家に行くと、本当に素晴らしい感性の持ち主で、人は見かけや表面では本当に分からないなと思った。
印刷された自分の写真を見てしわくちゃに笑う笑顔も可愛かった。

壁に貼り終わった写真と本人とを写真に収めるのもまた素敵よね。

アニエスとJRの出会い、やり取りも素敵。
おばあちゃんと孫くらいの感覚でもおかしくないのに、仕事仲間、あるいは良き友人、同等の芸術価値観で話せる仲間として作品を作り上げ、人と接していく2人の関係性は本当に素敵。
アニエスがゆっくり螺旋階段上がってるのに、JRが螺旋階段駆け登ってまた降りるシーンが好き。

最後、少し切なかったけど、素晴らしい余韻でした。
mappii

mappii