Omizu

顔たち、ところどころのOmizuのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
5.0
【2018年キネマ旬報外国映画ベストテン 第7位】
ヌーヴェルヴァーグの祖母、アニエス・ヴァルダと写真家JRの共同監督作品。カンヌ映画祭アウト・オブ・コンペティションでプレミアされ、アカデミー賞でも長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。

これを傑作と呼ばずして何が傑作だろうか?ずっと泣きながら観ていた。アニエス・ヴァルダの映画はいつも優しさに満ちている。

人や世界の豊かさ、美しさを心から信じていることが画面から伝わってくる。

色んな場所を移動しながらそこに住む人々や景色、通りがかりの人や動物を写し取る。例え海で写真が一晩で消えてしまったとしてもちゃんとこの映画には残っている。

アニエス・ヴァルダとJRは常に良好な関係ではない。ある時は本当の祖母と孫のように親しく、またある時は芸術家同士として共鳴したり反発したり。

映画、写真、人、家、動物…全てが融合しこの美しい世界を形成している。この世界の豊かさを改めて実感させてくれるような大傑作。
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