JTKの映画メモ

顔たち、ところどころのJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
4.0
アニエス・ヴァルダ監督(88歳・女)と若手写真家JR(33歳・男)の凸凹コンビがそこかしこの田舎や港に繰り出し市井の人々の写真を撮りながら街の建物の壁とかあちこちに巨大な写真のコラージュを作り上げるロードムービー。
一応ドキュメンタリーだが、いい意味で作為的で所謂ドキュメンタリータッチな絵作りではなくカメラの切り返しとか構図とかキッチリ美しく構成されてるところが逆に良かった。
巨大なアートとか街のなんてことない人々の表情とか、もう理屈抜きにグッときたりジーンとくるシーンの連続で、やはり映画は感覚で観るものだと改めて思った。

アニエス・ヴァルダが何を撮ったかも知らんしJRが誰かも知らんという相変わらずの予備知識殆どゼロで観たわけですがね、いい作品はそんなものいらんですわ。良かろうが悪かろうが白紙の状態で映画は観たいし優れた作品は観てればわかるように作られてるので。

というわけで、多くの人に観てもらいたいハートウォームなドキュメンタリーの佳作でした。