このレビューはネタバレを含みます
アニエス・ヴァルダと若手写真家JRがフランス中を旅しながら、各地の街角に地元の人たちの巨大な顔写真をひたすら撮っては貼り付けて行くというロードムービー。
アニエスの独特なフレーミングの写真が現実空間を侵食していく。見慣れた光景も、一瞬で現代美術になってしまう。その作品の前に立つと、街の人々も不思議な行動を取るようになる。作品が人を異化するのか、その逆か分からなくなってくる。
ノルマンディの浜辺に遺されたトーチカのくだりが印象的だった。
アニエスとJRの世代を超えた友情がとてもチャーミングで、つい笑顔になってしまう。素敵な映画でした。