のうこ

泳ぎすぎた夜ののうこのレビュー・感想・評価

泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)
4.0
傑作。まるで幽霊のような父親の幻影をおいかけていく少年。父親が家から出ていく場面は繰り返されても、家に帰ってくる姿はなく、すれ違っていく。街の中で微妙に迷子になってる感も怖いが、昼間に父親の勤めているはずの魚市場に来ても人1人いない不気味さ。おれが子供だったら泣きますよ。
セリフを無くしたことによってそうなったのか、他者との決定的なやりとりがない一人称映画。少年と誰かの視線のやりとり(切り返し)もなく(屋根に積もった雪を落とすおじさんと目が合って逃げる切り返しがある)、少年が寝ることによって他者を無意識に回避して、微妙にすれ違っていく。あの少年だけが取り残されてくような感じ。
親が子供の寝顔を見にくるところ泣ける。この映画の退屈さもふくめてすき。次の日は学校に行くんだろうか。
のうこ

のうこ