わだげんた

友罪のわだげんたのレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
3.5
なるほど、そっちか。

神戸の酒鬼薔薇事件の犯人が捕まったとのニュースを知ったのは、仕事を終えてその日一緒に仕事した方々と旅館の一室に集まって酒盛りしている時でした。

誰も見てないけど、なんとなく付いてたテレビから流れたそのニュースはやっぱり衝撃的で、みんな無言でそのニュースを見つめていたのを思い出します。

その後、酒鬼薔薇は社会に出て名前を変え、今もどこかで生活してるのでしょう。一度、東京足立区にいるところを写真撮られてましたが、騒ぎになれば、もうそこにはいられないんでしょうね。

この映画、瑛太が演じる鈴木は明らかに酒鬼薔薇がモデルでしょう。この鈴木、町工場に働いていて、同期で入った益田と工場の先輩二人と会社が寮代わりに借りた一軒家で暮らしています。

鈴木と益田は闇を抱えてます。夜うなされているのをお互いに聞いたり。

二人は徐々に打ち解け会いますが、その内に、お互いの闇の原因についても少しずつ知ることになり。。。

ってのが、メインのお話。

そこにさらにいろんな過去を持った人物が絡んできます。

息子が事故を起こして、家族離散。事故の被害者に賠償と謝罪の日々を送っているタクシー運転手。

DV男に付きまとわれ、逃亡生活を送っている女。

少年院の医療担当をしていて仕事熱心なあまり娘と断絶状態の女性。

などなど。

出てくる人、出てくる人重たい過去を持った人ばかり。

登場人物が交差することによってうまれる怒り、悲しみ、悲劇。

見所は多いです。

ただし!

★★★以下ネタバレ★★★
















あまりにも多くの不幸が出てくるため、それぞれが消化不良になっているのも事実。

いくつかエピソード削って、メインのエピソードに集約した方が良い気もしたけど、それだとテーマがぶれるのかな。

何らかの罪を犯した人が幸せになる、っていう結論にはならないので、基本的には劇中で振られている出来事は解決することなく結末を迎えます。あー、モヤモヤする!

幸せになる人はいなくて、それでも人生は続く、って。それはそうかもしれないけれど、ずっと重い話を観てきて結論もそれかい!
って。

まあ、そういう話なんですけどね。

観ている途中で、鈴木がやはり子供の頃殺人を犯した時の気持ちが甦ってきて、憎らしい相手なんかに危害を加える展開になるのかな、と思いましたが、そうはなりませんでした。

つまり、鈴木は反省していると。
益田は鈴木のその気持ちがわかったからこそのラストシーン、友、なんだと。

それにしても途中子猫がフリのように出てきたときは、まさかこのニャンコが!
ってなりましたが、ニャンコは無事だったし。

個人的には劇中で一番嫌な人間だな、と思ったのは(あくまで、劇中で、ですよ! 現実には殺人犯がいちばんダメに決まってますが)、生田斗真君演じる益田の元同僚の女記者。
まあ、記者なんて嫌われてなんぼなんでしょうし、読者としてはゴシップ記事も楽しむけどさ。益田もあんなやつに大切な物簡単に見せちゃダメだよね(笑)