アンド花火

友罪のアンド花火のレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
3.9

誰も救えない。

罪を償うということは、その相手がいなければ決して成し遂げられないこと。
「友罪」というタイトルには友の罪というだけではなく、罪を共に有するという意味も込められているのかもしれない。無免許運転で児童を3人死亡させた加害者の父親が、タクシー運転手として生きているのもまた罪の共有から逃げないためだろうか。

ひとつだけ希望として胸に刺さった加害者の父親(佐藤浩市)の台詞。
「家族ならいつかまた戻れるじゃないか」
加害者家族の未来に少しでも光を見出したかった父親の苦渋の選択として一家離散があったのかもしれない。

見る側に突きつけられ、容易い答えが用意されていない作品だった。
アンド花火

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