YokoGoto

友罪のYokoGotoのレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
3.0
かつて世間を震撼させた『少年A』の事件をモチーフに、犯罪加害者のその後や犯罪被害者との関係、犯罪加害者および被害者の家族の有り様を描いたフィクション。様々な立場の人々の感情が交差する中、加害者・被害者のそれぞれの苦しみを、複数のエピソードを編集で重ねた構成になっている。

確かに、テーマが重く、考えさせられるのだが、あまりにも様々な事を盛り込み過ぎているため、最終的に何が言いたいのか分かりにくくなってしまった気がする。

おそらく、『少年A』としての単独エピソードを綴るには、テーマが深すぎて、どこにポイントを絞るかが困難だったため、複数エピソードとしたのだと思うが、そのせいで、主テーマもテーマがピンぼけになってしまった感もある。(そもそも、このテーマを映画で扱うには、様々な配慮が必要すぎて難しいのではないだろうか?慎重にならざるをえない)

あとは、キャスティングはこれで良かったかも疑問。
繊細なテーマだけに、すでに色んな映画に出ていて、色のついた役者を多様することは、こういうテーマは不向きだと思う。演技うんぬんの前に....もっとインディーズっぽい方が、純粋に物語に入り込めたように思う。

また、ダブル主演の二人の関係性は薄く、希薄に感じた。複数エピソードを盛り込んだ事で、ここも薄くなった印象。こちらも、テーマが絞りきれず、不完全燃焼に収まってしまった点が残念。
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