もりや

コンプリシティ/優しい共犯のもりやのレビュー・感想・評価

3.5
主人公は稼げるからと日本に来たり、流されて窃盗団やったり、いい条件の蕎麦屋に流れたりと、中途半端であんまり自分の意思を持てていない青年です。その青年が、蕎麦屋での修行生活の中で、仕事を覚えてステップアップしていくことの楽しさを覚えたり、いろんな人に前に進む後押しをしてもらいながら、最後は自分の意志で本当の自分として最初の一歩を踏み出す。

嘘をつかなければ生きていけない、嘘をつかなければ見られない景色もあるんだな、というのは本作でもよくわかったけど、やっぱり得られたものに対して後ろめたさみたいなものを感じながら生きていくのはしんどいよなあ。そこを振り切って最後の最後、彼は本当の自分として生きていくことを選ぶわけですが、やっぱりやったことに対するケジメもなしに戻るのもなあ、、と少ししこりの残るラストでした。ラストまではとってもよかった。
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