1980年って、そんなに昔ではないよなぁ…
あんなに悲惨な事件が韓国であったなんて、知らなかった。
前半は、パラサイトのソン・ガンソさんが陽気なタクシーのおじさんをコミカルに演じていて、まさにこのパッケージの雰囲気です。
後半からは徐々に重たい現実へ引きずりこまれます。
激動の時代。
光州という地域で、民主化を求める大規模な学生運動があったらしい。とても過激になっていき、やがて軍事政権が介入したらしい。
学生は何をやっているんだ。
勉強するために親は学費を払って入学させたんじゃないのか。
迷惑な行為はやめてほしい……
同じ国の人間でも、民主化運動に対しての気持ちには差があり、今の自分の生活で精一杯なマンソプは、とにかく一人娘を育てるためにお金が欲しかった。
そんな時に、事情はわからないが光州へ向かいたいという外国人上客の情報を得て迎える。
検問をなんとかくぐり抜け、ドイツ人記者ピーターを光州に運ぶことに成功したが、何やら光州の様子が異様であることに次第に気づく……
軍により封鎖された光州は、もはや軍事政権が市民を弾圧しており、怪我人が次々と病院に運ばれていた。
暴徒による暴動ではなく、光州市民が無差別に射殺されていた…
一人娘を自宅に置き去りにしていたマンソプは一刻も早く安全な我が家に帰りたかったのだが、次第に事の異常さに心が揺さぶられ……
同じ国の中で、少し離れた地域では内戦のような状態にあっている国民がいるのに、メディア規制が入り、情報や電話さえも遮断されていたことがとても恐ろしい。
ソウルから来たマンソプは光州が戦場化されていた事は知らないし、知る術もない。
ソウルに戻っても何事もなかったかのような平和な日常が待っている。
同業者の光州のタクシードライバー達は、無差別に発砲された市民を救出するべく命懸けで走り続ける。
ラストのカーチェイスも凄いが、運転している人たちが普通のおっさん達というギャップが凄い。
一般市民なんです。
闘っているのは。
同じ国同士なんです。
この事件が事実であること、こういう歴史がそう古くない時代にあったことが恐ろしすぎる。
最後に主人公がどうなったのか、、、
わからないのがまた実話ならではというか、、、
ピーターさんにとっては戦友のような相棒だったんだなぁ、、、。
この映画で判明したらいいのになぁ、、、。