タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜の作品情報・感想・評価

「タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜」に投稿された感想・評価

高千代

高千代の感想・評価

4.2
"「必ず伝えてくれ」
命をかけてでも、伝えなければならない真実がそこにはあった"

韓国、光州で実際に起きた「光州事件」を題材にした映画。

実在した、ドイツ人記者とソウルのタクシー運転手
2人の視点から光州事件の内側を目の当たりにする。

パッケージのキム・マンソプの明るい笑顔からは想像も出来ない程に、ショッキングな内容でした。
ギャップがすごい。
その笑顔につられて、軽い気持ちで見ると後悔するかも…

前半はコミカルな雰囲気。
中盤あたりから予想もしなかった、ガラリと雰囲気が変わっていく。

映画では、戒厳軍が市民に対して、一方的に攻撃している印象を受けた。
実際デモがどこまで激しかったかはわからないが、それに対抗する戒厳軍の容赦ない攻撃は印象的。
調べてみると、デモ軍は武器庫を襲い武装したとある。
それほどに激しいものだったのだろうと思う。

さらにこの映画で印象的なのが、タイトルでもある"タクシー運転手"
タクシー運転手みんなが、とにかくいい人。いや、光州市民みんないい人ばかり。
要所要所で、タクシー運転手が大活躍します!
特に終盤のあのシーン。
アクション要素の入ったシーンが、また映画の印象を変えてきます。

暗いだけじゃない。
光州市民の暖かさだったり、キムとピーターの次第に強くなる友情だったり、家族を思う愛だったり、いろんな要素が詰まった傑作。

歴史も知ることができて、映画としても見応えがある。うん、いい映画でした。

初の韓国映画かも。
軍事政権時代の光州を取材するドイツ人記者とタクシー運転手を描いた史実に基づく作品。軍に暴圧される様は当時の凄惨さを物語っていた。ラストのタクシー運転手”たち”に感動した。
toko

tokoの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

タイミングが合わず観られなかった映画が、やっと観られました。

貧しくも娘と2人の生活をタクシー運転手として必死に生きるマンソプは、学生運動をする若者を贅沢だと思っていました。

そんなマンソプが、お金の為に外国人記者を光州まで送る事になります。

平凡な市民であるマンソプが、知らなかった光州の悲劇を目の当たりにし、不条理な闘いに命を賭ける光州の若者や市民の姿に変わっていく心情は、守るべき娘との生活と見過ごせない事実への葛藤でした。

何も知らず平和に暮らすソウルや隣街の人達…
知らなかった自分が知ってしまった事実。
命を賭けて正義を貫く光州の人達…それは、余りにも残酷で悲惨でした。

光州事件を知らなかった私ですが、マンソプを通して知らなかった歴史の一端に胸が痛み涙が出ました。

この映画が実話で、タクシー運転手のその後が分からない事実が、あの時代を平凡に生きる幸せを貫いたタクシー運転手の選んだ道だったのでしょうか。
娘を守り育てる為にも…
誤解を招く言い方すると「リアルな映画」だと思います。それは戒厳令下の街の描写に迫力があるとか、史実の再現度が高いということではありません。この映画が自然な「庶民の視点」に貫かれているからです。

タクシーの運転手・マンソプ(ソン・ガンホ)は、デモ行進で道をふさぐ学生に「不自由なく大学までいけてるのに何が不満だ」と毒づきます。

国を揺るがす問題も、彼にとっては直接関係のないこと。飢えてもいないし、仕事もある。「韓国は素晴らしい国だ」と車内で呟きます。政治に関心もたなきゃ!とよく言われますけど、彼や自分のような庶民にとっては、毎日ハッピーでいることのほうが大切というのが正直なところではないでしょうか。

だけどちょっぴりお金には困ってるマンソプは、報酬を目当てに、ジャーナリストを光州まで運ぶ仕事を引き受けます。

光州でおこっている武力闘争という現実。さっきまで話をしていた人が、軍隊の銃撃によって倒れるところをマンソプは目にします。

彼の最初の行動は逃げることです。国や軍隊に勝てるわけがない。卑怯と言われようが、庶民である彼にとって一番大事なことは、家に残してきた娘との生活を守ることです。

しかし、やがて彼はひとつの約束を果たします。それは国を思う義憤とよばれるものではなく、親切にしてくれた人に心が動いたからであり、この価値観は非常に庶民っぽいといえるでしょう。

マンソプはアイアンマンのようなスーパーヒーローじゃない。逃げもすればウソもつく。だけど優しくしてくれた人にはちゃんと恩返しもする。そんな普通の人が、普通に考えて自然な感情で動く。だからこそ、観客はマンソプに共感し、逆に国と軍隊に異常性を感じます。

国という大きな力の下で、たしかに庶民の生活があるということ。どんな理由があろうとも、力をもって一般の人の生活を奪うことは許されない。逆にどんな力が働いても、庶民はしたたかに生きる。そして希望を託す尊さを描いた映画でもありました。

重くなりがちな物語を、ひょうひょうとした姿で好演したマンソプ役のソン・ガンホに脱帽です。
日本人記者は、知っていたはず。

日本にいるドイツ人記者が韓国の戒厳令について、
日本で知り、韓国の光州へ取材に向かいました。

この映画を鑑賞してドイツ人記者よりも、日本人記者の
ほうが、この光州事件を世界に報道できる可能性は高った
と思いました。
日本人なら外見は韓国人に似ています。
第2次世界大戦中に、日本が韓国等の国々を占領した
影響で韓国人には、意外に日本語が通じます。

もちろん、誰が取材しても、命がけの取材になるので、
「自己責任」による取材です。

発表報道は、韓国政府により嘘ばかりです。
ドイツ人記者の行ったこの調査報道は、真実の断片かも
しれませんが、事実を伝えることで、韓国や世界を
動かし、歴史を創りました。

日本ニュースは、発表報道、毎年同じ行事のニュース、
スポーツニュース、芸能ニュース、天気予報で観あき
ました。
何のために使用されているのかわからない受信料を
支払ってまでして、NHKのニュースを見る気にも
なりません。

この映画を鑑賞しても、何も感じない、何とも思わない
日本人記者は、ドイツ人記者に劣ると感じました。
光州5・18では市民の立場から、そしてこの映画では外側の立場からこのおぞましい事件を知ることができた。
どちらも実話なのでデフォルメされてるのは映画だからしょうがないにしても相当にショッキングな出来事だ。

それにしてもとにかくシビれるのはメシを食うシーンw
だから韓国映画って大好き!

光州5・18のレビューで、成熟した国家への苦しい道程なんてこと書いたかもしれないけど間違ってたかも。
必然性のない道程は無意味ってこと。

でもこうして映画を通して歴史を知ることって凄く良いことだと思う。

そしてなんと言ってもソンガンホ!
たまらん!
良い映画だった。脚色は勿論入っているが、揺るぎない王道感。まさかのクライマックスのアクションは激アツ展開。

中盤の深夜逃げるシーンも赤く染まった画面にガスが立ち込め、ぐっと画面に引き込まれるようでした。

ソウルと光州の対比がすごくよかったし、光州の一般的な家庭の一面も見られた。

ソンガンホがどこかコミカルなキャラクターなのが絶妙ですよね。暗くなりきらない。

行って帰ってくる系映画はやはり面白い...。
2018年88本目
めちゃくちゃ良かった!!クライマックスは手に汗握りつつラストにはただただ感動した。
前半はコメディ調でゆるい展開だったのに後半光州に入ると一転して緊迫感が凄かった、、、
あまり触れにくい題材であるこの事件をこんな風に映画化できて韓国映画はすごい、、

キングコングでも思ったけどトーマスクレッチマンはかっこいい
 噂通りの名作でした。
 1980年の光州事件の惨劇をリアルに描いてるだけでなく、そこにいる人々のドラマも織り交ぜてくれたのが良かった。
ソンガンホは当然最高なんですが、TEAM光州のタクシー運転手がみんないい人揃い。中でもユヘジンがさすがの名演。この人、サイコパス役でも馬役でもなりきれちゃうのはお見事です。
 もう一人、光州の気のいい通訳学生が涙腺刺激担当。この俳優誰だろうと、見終わった後に調べてびっくりしたんですが『ザ・キング』でチョインソンの友達やってたあのヤクザ!なんなんですかこの変貌ぶり!リュジョンヨル、覚えましたー。
 この映画、かなりTEAM光州タクシーの活躍ぶりがすごいです。ちょっとしたヒーローものみたいな感じ。捨て身の人命救助や山道でのカーチェイスなど、さすがに盛り過ぎだろって思いますがあとでいろいろ調べたら結構な部分実話だそうで。

『1987、ある闘いの真実』は全編緊迫しまくりで没入感が凄かったけど、こっちはエンタメ色強めで肩の力抜いて楽しめる感じ、かな。もちろんどっちも素晴らしいです。
be

beの感想・評価

4.5
本当に胸打たれた。
号泣……
この事件をこんなふうに映画にできる韓国すごいな。
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