１９７９年、朴正煕大統領暗殺に
より、独裁政権は終焉を迎えたが、
軍事主導のクーデターが起こり、
それに反発した民衆による大規模
なデモ運動へと発展してしまい街
が封鎖される事態に。
近代韓国における実話を基にした
物語で、韓国で大ヒットしたのも
頷ける内容でした。
陽気な音楽を流し走るタクシーを
俯瞰した映像からデモによる急な
渋滞と、
それらの出来事を気にも止めずに
ひたすら職務を遂行している１人
のタクシードライバー。
メリハリのある対比で観客を一気
に惹きつける手法は、全編通して
続いていきます。
緊迫した状況の中にコメディ要素
もあり重くなり過ぎないのも見事
で、伏線回収も実に素晴らしい。
社会の話であり政治の話でもあり、
報道の話であり仕事の話でもあり、
成長の話であり家族の話でもある。
かける予算や人員、撮影機材など
はハリウッドに敵わなくても演技
や脚本で圧倒するという気概。
戒厳令を敷かれ、孤立した光州で
ジャーナリズムを貫こうと戦った
人々の物語に心を打たれました。
私の中では長らく韓国ベスト映画
であったブラザーフッドを超える
作品ではないかと思います。
