すかい

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のすかいのレビュー・感想・評価

4.5
1980年の韓国で起きた「5・18光州民主化運動」をテーマに、当時の軍事制圧のリアルを世界に知らしめた人物たちの奮闘を描いている。題名はタクシー運転手にフォーカスしているが、作品全体としては特定の誰かを中心に置いているというよりも、かつての悲劇を風化させないという大きなメッセージを有効的に(ドラマティックに)みせるためにあえて主人公をタクシー運転手にした感があった。ただ当時の光州におけるデモ活動においてタクシーが救急車として活躍したり、大規模なタクシーデモを行ったりと、民衆にとって希望の象徴であったことは確かなようである。作品のメッセージとその表現方法は極めて明確で、かつキャストの迫真の演技が印象的だった。特に、映画『パラサイト』でも優れた演技を魅せてくれた俳優ソン・ガンホ氏の悲嘆と葛藤の演技は圧巻である。
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