すとんこ

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のすとんこのレビュー・感想・評価

3.5
ソウルのタクシー運転手が、高額な報酬(10万ウォン)のため、戒厳令の街・光州へ客を乗せて走るって話☆

1980年5月に起こった光州事件という実際にあった事件の映画化。

「民主主義を死守せよ!」

テレビで報道される学生達の民主化運動を見た主人公は、「あいつら何が不満なんだ?こんなにいい国は他にないぞ!」と憤慨する、政治や国内情勢に無頓着なタクシー運転手のマンソプ(=ソン・ガンホ)。ノンキなオッサンやな♪なんて笑っていたのも束の間、ハッと気付かされます、わたくしと同じだ、と。ここ数年の安倍政権の横暴にも対岸の火事よろしく、わたくしの生活には関係ないわと無関心を決め込んでいましたが、流石にそうも言ってられない情勢になってまいりました。国家を監視する目を持つべき時が来たと実感(遅ぇよっ!!オレのバカっ!!)。

市民に向けられる圧倒的暴力によって国家の真の姿を目の当たりにしたとき、小市民のいちタクシー運転手たちが義憤にかられて立ち上がる姿に心動かされます。

この現実を国内外に伝える使命に燃えるドイツ人記者とタクシー運転手、事を成した後に再び会おうと約束するもそれはかなわず。あえてそうなるような行動をしたタクシー運転手の気持ち、なんか分かる。結果的に英雄的行動になったとしても、きっかけがカネのためだった事を恥じたのかもしれません。

当初は家賃滞納のカネを、その家主に貸してくれとせがむようなダメ人間だったマンソプが、命懸けで劇的に成長する姿に燃える一本(* ̄ー ̄)☆



○キャスト○
キム・マンソプ(ソウルのタクシー運転手):ソン・ガンホ
ユルゲン・ヒンツペーター(ドイツ人記者):トーマス・クレッチマン
ファン・テスル(光州のタクシー運転手):ユ・ヘジン
ク・ジェシク(光州の大学生):リュ・ジュンヨル
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