ストーリーは盛り上げるために脚色されているだろうけど、あの事件が実際に起きていたと思うと恐ろしい。
なにも知らずに現場に立ち入ったソン・ガンホ演じるタクシー運転手は視聴者そのもの。のんびりしたソウルの様子から一変し、何が起きているのか、弾圧の現場、病院の惨状を目の当たりにした時の驚愕、報道規制されたために事実と異なった内容が伝えられ、それを信じる外部の人達を目の当たりにした時の絶望感…。
あのファン運転⼿の家でのつかの間の団欒から一変しての展開が本当に辛かった。
マッドマックスと言われている最後の展開はちょっとやり過ぎだなと思ったけど、ナンバープレート見逃す場面は最後の最後まで全く描かれなかった軍人の人間味をほんのり感じて良い塩梅だったと思う。
ドイツ人記者との距離感も良かった。協力するどころか最初はもう撮るのやめろ、危ない、帰ろうと言っていたマンソプが、病院で「しっかり撮って報道しろ」と一生懸命伝える姿に涙…。
実際この二人の再会は叶わなかったらしく辛いけど、こうして映画を通じて事件のこと、二人のことを知れて本当に良かったと思う。
