犬猿という映画を観た。
強面で凶暴な兄(新井浩文)。
イケメンで真面目な弟(窪田正孝)。
美しくないけれど頭の良い姉(江上敬子)。
美しいけれど頭の悪そうな妹(筧美和子)。
以上の四人が、この映画の主人公だ。
僕には同性の兄弟が居ないので本作で描かれていた様な心情にはなったことがない。
けれど唯一の兄弟が同性なら、こんな感じだったかもなとは思った。
同性である兄弟や姉妹には僕の知らない苦労があると思う。
この映画ほど露骨ではないと思うが、実際の兄弟や姉妹の場合でも微々たる優劣を見つけて嫉妬する瞬間はある筈だ。
けれど、これがもし友人や知人ならここまで嫉妬することはないと思う。
多分それは他人だからだ。
兄弟や姉妹の関係性で強い嫉妬が生まれるのは、同じ両親の血を引いて生まれてきて同じ様な環境で育ったにも関わらず差異があるからだ。
言い訳できないからだ。
そして、この世で唯一同じ条件で生きてきた兄弟が自分には無いものを持っていることに納得がいかなくなる。
何故だか奪われた様な気持ちになるのだろう。
もしかしたら、何を奪われたわけでもないのに奪われた様な気持ちになることが嫉妬なのかもしれない。
そんなことを考えさせられた。
関係ないかも知れないが、今日ジュースを買いに行ったら自販機で隣り合って同じジュースが置いてあるのに片方だけが売り切れていた。
なんだかこの映画みたいだなと思った。
最後に、劇中でやさぐれてタバコを吸う窪田正孝が本当に格好良かった。