豊島区民

ライオンは今夜死ぬの豊島区民のレビュー・感想・評価

ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)
3.9
生と死を情緒溢れる色彩で鮮やかに描いた良作。
ある1人の老俳優が、過去の自分を振り返ると共に映画制作を行う子供達との交流を通して、映画を撮ることとは、人生とは何か、死とは何か、を問いかける。
生と死をテーマにした作品でありながら、非常にユーモアに富んでおり、即興で演じたとは思えないほどの演技を見せる。また、役者ではない、実際に映画制作に興味のある子供達を起用することによって、予測できないがとても自然な表情を垣間見れる。そうした子供達の生命力に溢れた演技と、ジャン=ピエール・レオのゆったりと優しい、しかしとても力強い存在感が非常に好対照に描写されている。
また、南フランスの澄み切った鮮やかな青空、太陽に照らされ美しく煌めく湖、白壁の建物といった情緒溢れる情景が本作の舞台として非常に映える。
「どうやれば死を演じられるか?」「演じないことよ。」このセリフはとても心を打つ名台詞。
人生の齢を重ねていき、いつか自分の人生について回顧する時、改めて観返してみたい作品。

諏訪敦彦監督、三浦友和氏トークショー回
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