鈴木家の嘘のPeccoのネタバレレビュー・内容・結末

キャッチコピーにある『嘘も方便』まさにその通りで、『優しい嘘』ってのは存在する。
霊媒師に対して妹が言った『暗いのに見えるの？』このセリフに思わず吹いた。
家族みんながその心情になれたのは優しい嘘で硬い心が柔らかくほぐされていたからなんだと思う。
とてもいいシーンだった。
引きこもりのお兄ちゃんがソープランドに行って話を聴いてもらってたのもなんとなくわかる気がする。
『話を聴いてほしい』でも身近な人には心を開けないから引きこもるのだから。
結局、お兄ちゃんが自殺して理由はわからず仕舞いだったけど、このソープ嬢に話をみんなで聴きに行くラストはとてもハートフルに感じた。
家族にはわからないお兄ちゃんが存在する可能性があって、そこに対して嫉妬だとか怒りはない。
過剰に心配して腫れ物に触るようになっていた母親、そんな母親に任せきりだったり、病気と断定してしまう父親、ただ自分のことしか頭になくて兄を煙たがる妹、みんながみんなお兄ちゃんとの接し方がわからなかったり、間違えてしまっていたことを受け止めて各々を許すしかなかったから。