鈴木家の嘘の作品情報・感想・評価

鈴木家の嘘2018年製作の映画)

上映日:2018年11月16日

製作国:

上映時間:133分

あらすじ

「鈴木家の嘘」に投稿された感想・評価

ぶるた

ぶるたの感想・評価

5.0
パイプ椅子に、なんだか古くて黒が出てないプロジェクターでの上映と、試写会にしては最悪の環境だったが、見事な作品だった。
これがデビュー作とは思えない手慣れた感じの演出、相当に練られた脚本、そして素晴らしい演技陣。

とても深刻なテーマなのに、笑いを散りばめて、語り切った。

大森南朋、昔は相当へたくそな役者と思っていたが、アウトレイジ最終章で吹っ切れたのか、この作品では出色だった。
「嘘も方便」と言うけれど、この映画に登場する鈴木家の人々は長男の〝突然の喪失〟で倒れた母親の為に優しい嘘をつく。
鈴木家が見舞われた〝不幸〟は、現代社会において決して特殊なことではなく、様々な要因の積み重ねや人生の〝ボタンのかけ違い〟でどのような家族にも起こり得ることだと思う。
とは言え、当事者たちにとって心にぽっかり大きな穴を開けてしまう程衝撃的なことで茫然自失してしまう 。
鈴木家の人々、父・幸男と長女・富美は長男・浩一の〝喪失〟の事実を、ショックで記憶を失った母・悠子から隠し、嘘に嘘を重ねて糊塗していく。
しかし兄に関する嘘は辻褄が合わず、冷静に考えれば見え透いた〝茶番狂言〟だと分かりそうなものだが、「無理が通れば道理引っ込む」で押し通していく。
周りのアシストも受けながら嘘をつき続ける父と娘は、その行為の中で浩一の死と向き合い、自分と兄との過去やそこにある〝罪〟と向き合っていく。
鈴木家の騒動とその再生を描いた本作を観ていると、「家族」とは何なのかと改めて考えてしまう。
社会の最小単位で最も身近な存在である「家族」、鈴木家の人々同様に分かっているようで本当は分かっていない「家族」というもの。
今では死語のように思われる〝家族団欒〟の大切さや有り難みを本作を通して改めて噛み締めたくなる。
有楽町イマジンスタジオにて鑑賞。

重いテーマだったけど涙はでず、食べものがところどころに出てきて残されたものにそれでも君たち生きろと応援しているように感じられた。

俳優陣も名優揃いで中でも娘役の子がいい。また、音楽と映像がすごくあっていた。

もったいないのが、いくつか疑問を残して終わっているところが多くて、画面が次に入れ替わるのが多い。特にイブちゃんは、もう少し関わりのヒントを明かして欲しかった。個々に考えてということだろうけど終わってスッキリしない。

引きこもりや自殺など重い社会問題を扱っているが笑うところも織り込み2時間以上の上映時間もあっというまだった。
rk

rkの感想・評価

5.0
正視し続けるのが苦しいくらいのシリアスな描写やセリフがところどころにあり、しかもとてもリアル。監督の経験が基になっていると後で知り、やはりという思い。それなのに、絶妙な割合(ほんとに絶妙)でコメディ要素をを織り込んでいて、いろんな感情が湧いてきます。
上映後のトークショーで、神田松之丞さんが(松之丞さん自身もお父様を自死で亡くされているのだそうです)「残された家族は、頭の中の一部を、常にモヤモヤしたものが占めている、それをふっきるために、初監督作品としてこのテーマにする必要があったのでは」というようなことを仰っていて、印象に残りました。
yuk

yukの感想・評価

-
2018年劇場59作目。(Tiffにて)
監督の実体験が織り込まれた作品。家族それぞれ兄に対して持っていた感情の違い。結局どれも繋がらず伝わらなかった悲しさ。自分が死んだ時誰かが"自分のせい"だなんて思って欲しくないよ。
と死について色々考えされられた作品でした。
リバー

リバーの感想・評価

3.5
試写会にて鑑賞。
予備知識なく見たので、冒頭のシーンから驚き また引き込まれて!
そこからの展開は映画的というかエンタメ要素もありつつ、しかし もっと笑いの方向にいっても良いと思いつつ そうはいかないのが、この作品の持ち味かなぁと。
まぁ、どっちつかずと言ってしまえば それまでだけど、総じて後半はドラマ性を深く描いていて、シリアスながらも そこが響いたなぁと。
俳優陣は皆、好演、原日出子が女優さんだなぁと思いながらも、若手 木竜麻生がやっぱり強い印象に残り。大森南朋のコミカルさもいい味となり良かったかな。
サミー

サミーの感想・評価

2.7
フィルムマークスの試写会で鑑賞をさせていただきました。
ありがとうございました。

長男の死を隠そうとする父と娘の姿はユーモラスだが痛い。
いっそあかしてしまえば、そもそも初めに隠さずにいれば。それならば…それはわからない。
静かに進む映像が語る悲しみと後悔からの再生が滲みでる。
でも最近はよく思う。色々と述べたり考えても結局は再生なんてないんじゃないだろうか。
時間が経てば。時間だけが。その時の感情や思考が薄らいで痛みは忘れる。そう、忘れてしまえばいい。困るのは、時折その時の記憶や感情がふと目覚める事。
それは綺麗事や絵空事ではないからね。
ぼのご

ぼのごの感想・評価

4.5
家族の自死がテーマの作品。監督の実体験が基になっているという話は前知識として知っていたけど、多分知らずに観てもそれを感じただろうなってくらいリアルだった。

冒頭の場面、お兄さんの部屋から見える窓の景色がとても穏やかで、これから首を吊ろうとするお兄さんの心境を想像すると、その対比がつら過ぎた。台所で料理をしていたお母さんが部屋に行って見つけてしまうまでの間とか、お兄さんが食べる筈だったオムレツを映したりとか、度々挟まれる回想の入り方とか、演技以外の描写もかなりズシンときた。

所々コメディタッチになっていて、ただ重いだけの作品にはさせないっていう監督の意気込みを感じた。あと、笑ってするような話じゃなくてもしんみりと話すのは嫌なことってあるし、実体験が基って考えると、笑える場面が入ってるのはそういう理由もあるのかなって勝手に思ったり。
軽めのコミカルでもかなり重たいテーマ。
だが、そんな理由だけではスルーできない良作。
脚本、時間軸構成抜群。
長尺でも全シーンで集中できた。
例えば、
TV編集用にカット可なのはあっても、
作風の一環としては無駄シーンはない。

一体誰が主役なのか?
例えば、
長男がそう、と言ってもおかしくないかも。
ただ、この新進女優さん、かなりの注目株。
例えば、
ベテラン陣を凌いでいる個所もあるほど。

あっ、そう言えば
この監督さんも注目株。
ベートーベンのピアノソナタ『悲愴』の
第2楽章が流れるシーンが好きだった😌🎹


嘘の世界と現実を
さ迷いつつもどこか?
安堵感も悲愴感も混じり合った
フワフワした☁風景🎥

そんな不思議な風景が
ソナタの音色に包まれる🎹
🎨芸術的なフィルムワークだった✨


今作は
紛れもなく
家族の『愛』の物語だ


役者さん
全員が素晴らしかった✨
>|