鈴木家の嘘の作品情報・感想・評価・動画配信

「鈴木家の嘘」に投稿された感想・評価

ビジュアルからは想像つかないくらい考えさせられるお話

2021年39(6)
wowow

『嘘』にも意味がある。
一つの嘘から連鎖していく…しかし、『嘘』もそんなに長くは続かないものだ。

真実を受け入れた時、『嘘』から得られたものが大切なものになることもある。

家族は複雑で面倒な関係。
正しい答えがあるわけでもないが、認め合えるほどよい距離感のある存在でいたい。
長い間引きこもりだった長男の浩一が自殺をし、それを発見した彼を気遣い続けて来た母の悠子が手首に傷を負った状態で気絶。半年間の寝たきり状態から目覚めた際には記憶を失っていた母にとっさに兄は引きこもりを止め海外へ行ったと告げた長女の富美と父の幸男。大きな嘘の中で生活を続ける鈴木家の様子を綴った家族ドラマです。

橋口亮輔監督や石井裕也監督作品で助監督を務めた野尻克己監督の映画デビュー作で、自身の兄が自殺した実体験にインスパイアされた脚本も手掛けており、非常にセンシティブなテーマに対してクスリとさせられるユーモアを含みながらも決して茶化すことなく真摯に向き合っています。

物語の序盤では次々に起こる突飛な展開に驚かされますが、それ以上に徐々に明らかになる家族それぞれが持つそれぞれにしかない故人との過去とそこから生まれる想いに驚かされると共に胸を打たれます。処女作故の詰め込み過ぎの要素は若干ありますが、自死に関わらず誰もが避けられない人との別れによる痛みと再生を描いた一作です。
S4KuYuKi

S4KuYuKiの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

長男の引きこもりの原因が明示されない。

このあたりは現代の引きこもりという社会問題に対して考えろという監督の意図が感じられる。いい映画

役者が揃ってて凄いし、何より岸部一徳は何やらせても嘘臭さもなく演技とは思わせない自然体のまま見事に役にハマるから凄い。
長男の自死を描くが、重くなり過ぎないユーモラスな描写が作品の間口を広げている。
しかし当然、残された家族にとって自死はとてつもなく重い。その理由を知りたくて七転八倒する。その様が滑稽でもあり深すぎる愛情に涙も出る。
解決出来ないことや理解の及ばないことを抱えたままそれでも進もうともがく家族たちを繋げているものが、長男への怒りでありそれを凌駕する深い愛なのだと感じました。
劇場長編初の監督とは思えない才気が充満した傑作だと思います。
《嘘も方便。》

実力派キャストで描く、シュールでコミカルな家族物語。
事前情報がなく、タイトルが意味深というだけでWOWOWで初鑑賞だけど、これは思ったより良作…

4人家族の鈴木家。
ある日突然、長男が自殺。発見者の母親は昏睡状態に。目覚めるも長男の自殺の記憶がなく…
父親と長女そして母親の弟は、ショックを与えないように長男の自殺を隠そうと大ががりな嘘をつくことに。

”長男はアルゼンチン…〟

この展開は、母親を守るために周りが一丸となって”良い嘘〟で騙し続ける”グッバイ・レーニン〟みたいだ(笑)
自己保身の”悪い嘘〟ではなく、大事な何かを守るための”良い嘘〟は優しさで観る者を包み込んでくれる。

残された家族の葛藤を、重さを感じさせないコミカルでスマートな演出で描かれているのが秀逸なポイント!後半は少しシリアスになるけど…
岸部一徳、原日出子、岸本加世子、加瀬亮、木竜麻生、大森南朋といった実力派キャストが素晴らしい演技で魅せてくれるけど…
”運命じゃない人〟が脚本が素晴らしいのに演出がイマイチ、役者が作品に馴染んでないとするなら、この作品は逆で、演出と役者の質・演技は申し分ないけど、脚本が…(苦笑)
全体の僅かの割合でしかない名作・傑作といわれる作品は脚本・演出・キャストのすべてにおいてレベルが高いか、すごく突出したものがある。
”運命じゃない人〟や今作”鈴木家の嘘〟にこれ以上求めるのは酷かもしれない…
重い話だけど見応えあった…。
自殺した長男と、その自殺が残された家族にどんな影響を与えるか。
死んだ長男と、そして自分自身と、改めて向き合う家族の物語でした。
1番印象に残ったシーンはボランティアの会で妹の富美ちゃんが叫ぶシーン。ずっと蓋をして押し殺していた感情が吐露されていて印象的な場面でした。
邦画ってこういった人の繊細な心を描くのが本当に上手いなって思いました。エンタメ性より現実的な映画を求めている方は是非。
spica

spicaの感想・評価

4.0
気軽に見始めたら、重いテーマだった。重いテーマをそのまま暗く描くのではなく、ユーモアを交えて描かれている。何があっても、どんな不幸にあっても、前に進もうというメッセージは感じられた。自死と残された家族の苦悩はしっかり描かれていたので、その意味でも、とりあえず生きようと。
岸部一徳、原日出子、大森南朋、岸本加世子、加瀬亮と演技派ぞろいで、それで失敗作になったら大変なことだ。富美役の女の子、どこかで見たと思ったら「菊とギロチン」の人だった。大物相手に全く負けず、存在感があった。
tiara

tiaraの感想・評価

3.0
息子が自殺し、ショックのあまり記憶喪失になってしまう母、そして自殺したことを思い出さないように嘘をつく父と娘。
うーーん…
興味深い内容ではあったけど、そこまで胸に響くような感動はなかったかな…
遺族の会の他のメンバーの話は、あぁそれ切ない…って共感してしまったけど。
お兄ちゃんの自殺の原因、結局本当のところは何だったんだろう??
イヴちゃんなにものだったんだろ。
ひらめ

ひらめの感想・評価

3.7
2021.04.04
嘘をつくにしても頻度が高いしやりすぎなのでは?と思うのは部外者だからなのかも。あとで妹が吐露していた気持ちで納得したり。
そして、家族の1人が問題を抱えていると、家族全体が重く苦しくなる。将来、どうすればいいのか。もし、万が一のことをその家族が起こしたらどうなるのか…。
家族に対してどこか違う視点から見ること、仲良し家族にはわからないだろうな…ということが描写されていてよかった。
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