夜空のパンケーキ

やさしくなあに 奈緒ちゃんと家族の35年の夜空のパンケーキのレビュー・感想・評価

3.5
昨年末に公開されていた時は観に行けなかったのですが、『嘘を愛する女』を観た帰りに上映会をやっていて観れました!

てんかんがあり知的障害がある西村奈緒さんとその家族の35年間をまとめたドキュメンタリー。

小さな時は奈緒さんの周りにはいつも笑顔が溢れていたが、次第に幼馴染の死・家族の崩壊と再生を映像は切り取っていく。
特に盛り上げるでもなく淡々と…それが観ている側にもリアリティを感じる。
綺麗ごとでは済まない社会、争いが絶えない社会。
それを奈緒さんは一番嫌いなのかもしれない。
だから喧嘩が周りで起きたら「やさしく、なあに?」と訴える。

撮影中、一度だけてんかんで発作を起こし倒れるシーンがある。普段撮影中に倒れることはなかったらしい。
その時にお母さんがボソッとスタッフに「ごめんなさいね」と言うシーンがある。
何気ない一言なんだけど、お母さんがずっと抱えてる気持ちが表現されている気がする。
この後にお母さんは我慢の限界がきてある行動を起こすのだが、そこに繋がる表現だったように後になって思った。