このレビューはネタバレを含みます
あんまり期待せずに見たら、もうほんとその通りの可もなく不可もなくな作品だった。
そもそも誕生秘話系でどかんときた試しがあんまりないのと、あとこのシリーズは一作目が唯一無二の偉大な存在すぎて、ちょっとやそっとじゃ大満足!とはなれないからだと思われる。
前日譚ってことだけど、ここから悪魔のいけにえに続いちゃったら、テキサスチェーンソービギニングはなかったことになるのかなぁ。
あれが前日譚だとおもってたなぁ。
でもテキサスチェーンソービギニングはテキサスチェーンソーの前日譚だから悪魔のいけにえの前日譚ではないということなのかな。ややこしいな。
絶賛はできないけど、そんなにひどくもなかった。
そこそこおもしろくみれた。
好きではないし、もう見ないとおもうけど。
公開日初日に大勢の悪魔のいけにえファン(おそらく大多数は)たちと映画館で一同に会せたのはしあわせな経験だったなぁ。
お日様輝く土曜日にこんな映画をみて、奇特な人たちだな…仲間だな…!って少しうれしくなった。
以下映画の内容や設定への不満。
完全に個人的な好みの意見だけど、レザーフェイスに「良い心もあったんだけど、こういう経緯でああなったんだよ〜」「恋した女の皮被ってるんだよ〜」みたいなのやめてほしかったな〜。
なんだかなぁ。あなたそんな人でしたっけ…?って違和感がすごくあった。
もっとファンタジー的存在で、言葉通じなさそうで狂ってて、なんの疑問も持たずに若者を家畜のように処理して加工しちゃって、常人の目からみたらどう考えてもまともじゃないのに、なんか楽しそうだ…!
ってキモくて怖いのにちょっとおかしくて愛着を持ってしまうところが好きだったよ…。
人の頭に容赦なくカナヅチ振り下ろすのに、怒られて怯えたり、つまづいて自分のチェーンソーで自分の足切っちゃうレザーフェイスが好きだったよ…。
今作のレザーフェイスはただのかわいそうな青年で笑えないところが癒されない。
ここからどう転んでもあの息苦しさと絶望と閉塞感と笑いのある初代につながる感じがしない。
ウィキペディアによると初代のレザーフェイスは精神年齢8歳らしいし、顔に皮被ってるのも先天的な皮膚病で爛れてるかららしいから、初代のレザーフェイスと今作のレザーフェイスは全く別物だろうになんで前日譚にしちゃったんだろ。
まぁもうホラー映画だしなんでもいいわ!
こんな難癖つけるなら誕生秘話なんて見なければよかったのでは…って言われたら、「Exactly(その通りでございます)」って答えるしかないです。
見てる途中で、あ〜エリザベスがレザーフェイスの初レザーフェイスになるんやろなってところは感づいたけど、あ、レザーフェイスお前じゃないんだ?!のところは全く気づかなかった。
完全にバドがジェドだとおもってた。
ちょっと太りすぎだったけど、すごく黄色のエプロンが似合いそうな見た目だったんだもん。名前も似てるし。
ミスリードするとは姑息な。
でも騙されたけど、だからといって爽快感も感心もなく、へ〜あ〜そうなん…ふーん…みたいな。
あれは誰得の演出なんだろ。
初代ファンへの小憎い演出と思えばいいのかな。別にうれしかないけど。
一番気持ち悪かったシーンは腐乱死体の上でクソカップルがセックスするシーン。
気持ち悪いイキり具合にムカついて、はやくこいつら退場しないかな〜ってかなりイライラした。
ジョーカーとハーレークインを気取ったような中途半端なDQNカップルはすごく苦手…。
ジョーカーとハーレークインは嫌いじゃないけど、匙加減っていうか、ああいう気狂いカップルはセンスないと魅力的におもえない。
大暴れして狂った行動とる性欲モンスターのわりに退場の仕方がダサかった。
文句つけまくったけど、ジェドがエリザベスを殺すシーンはすごくよかった。
おいおいよせよぉママと初恋の人の言葉で揺れ動いて葛藤する姿とかみたくないよぉって成り行きにうんざりしかけたところで思い切りよく首が飛んだので、やるじゃんってなった。
もう初代のような作品は絶対にできない。
それはわかってるけど、これからも初代を見たときの興奮を求めてさまよってしまうんだろうな。