オリジン?いや、リブートです!
数あるホラー映画の中でも世界一怖いと言われる名作ホラー映画「悪魔のいけにえ」に登場する殺人鬼「レザーフェイス」誕生の秘密に迫る、と言った切り口のホラー映画。
過去の話なのかと思ったら、レザーフェイスの家族構成や話の展開に過去作と矛盾する点がチラホラ。
純粋な続編(オリジン)ではなくリブート作品と観たほうが良いのかも。
ただ、レザーフェイスことジェドが誕生日にチェーンソーをプレゼントされ初めての殺人を強要されるシーンからタイトルまでの流れは本当に良い意味で気色悪くて素敵。
その後に幼少期のジェドが裸オーバーオールに皮を剥いだ牛の頭で作ったマスクを被って登場するシーンも個人的にはホラーアイコンとして最高にイカしておりました。
余談ですが日本版のこの映画「レザーフェイス」のポスターにも使われている牛頭の幼少期レザーフェイスがチェーンソーを持つシーンは本編には無いので悪しからず。
このビジュアルも最高に格好良くて本国版より日本版の方が断然怖いのでちと残念。
その後はキチガイ達の厚生施設にぶち込まれたジェドが10年の時を経てキチガイ仲間数人と施設を脱走するという流れに。
子供達は入所時に改名されており、誰がジェドなのかわからないまま話が進む為、ここから誰がどの様に狂気に堕ちるのかを推理しながら観る事になります。
またジェドのキチガイ家族、ソーヤー一家に娘を殺された復習に燃える悪徳警官の追跡劇も並行し、所謂「悪魔のいけにえ」的なバカ追いかけっこホラー(褒めてます)だけではないテクニカルなホラー映画へと様相を変えておりました。
殺人、ゴア描写はかなり控えめで、R-18のレーティングは実質某登場人物のセックスシーンのせいだったのでは、とすら思えるレベル。
屋敷女の監督&脚本家という事でどんなグログロホラー映画を観せられるのかと思うと肩透かしを食らいます。
むしろ、ホラー要素よりサスペンス要素の方が勝っていて実際そんな怖くは無いです。
ジャンプスケアがほぼ無いのはフランス人監督であるが故なのか、脅かすのでは無く純粋な恐怖で勝負しようという意気込みは買いますが怖さは大してありませんので少し残念。
「いつも行く定食屋でいつも頼む唐揚げ定食を頼もうとしたら、店主が「今日は日替わりオススメですよ!」とか言うもんだからいつもと趣向を変えて頼んでみたらバーニャカウダ定食的なテクニカルなメニューか出てきた感じ」、なホラー映画で御座いました。
悪くは無かった。