b

花筐/HANAGATAMIのbのレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
4.4
大林的戦争三部作最後を飾るのが本作『花筐』であり、監督のインデペンデント魂満載のアバンギャルドで狂いに狂った一作。同じく戦争三部作の『この空の花』以降、作品の持つ切迫感がどんどん増幅しており、失われつつある戦争の記憶を何としてでも後世に伝えなければならない、という強い意志が画面全体に漲っている。
映画後半、不良的青春を謳歌する青年達へと迫る戦争の影が強くなるにつれ、度々挿入される唐津くんちの映像と呼応し、まるで戦争が祝祭の様に迫る感覚に襲われ、何とも言えない恐怖を感じた。
映画の最後に監督の座っておられないディレクターズチェアが映り、郷愁を感じたのだけど、御年79歳余命3ヶ月の宣告にも屈せず、これだけ自由で生き生きした作品を作られた監督には本当にもっともっと長生きして作品を作り続けていただきたい。
b

b