花筐/HANAGATAMIの作品情報・感想・評価

「花筐/HANAGATAMI」に投稿された感想・評価

Jean

Jeanの感想・評価

4.4
大林宣彦監督独創性、そして映像美で繰り広げる3時間弱の世界。
戦時中の恋愛を描くことで戦争は決して繰り返してはいけないというメッセージが痛烈に染みてきた。
死ぬとわかっていても、誰かを愛するということの美しさはこの上ないものであった。
この映画が描く愛は大林監督の人間力と彼の映画愛が見事に融合したことにより映画として多くの人に伝わったと思う。
仮に僕が余命宣告されたとしても、好きな人にはちゃんと愛を伝えたいですね。

若干間延びしたように感じられたのが少し気になりました。

好きなショット
教室に入って桜が舞う
薬を口に入れる
鏡が割れて2人が映る
卵の殻でワインを飲む
満月の使い方
HOUSEの合成は正直違和感しかなくて受け入れられなかったけど、本作の合成はパワーで最後まで持って行ってくれたから違和感はさほど感じずに見れた
現代においてここまで合成を使って成立するのは、偽物として大林唯一無二の世界が完成しているからだと思った
一年越しにやっと鑑賞。大林作品の初期作(特に『ハウス』)を連想しつつ、ラストのダンスパーティーから始まり少女の叫びに終わる一連のカオスには今まで見たことのないパワフルさ、切実さを感じ感動してしまった。残酷で悲恋な青春群像劇の中に大林監督の未来からの視点が入ることによる次の時代への希望も健在。また凄いものを見せてもらった。
れな

れなの感想・評価

3.0
なんとも言えない感じ。
嫌いじゃないけど、好きってわけでもない。
楽しい映画ではないし。
オカルトな感じもあり、キレイに血が出る。
そして常盤貴子の赤いドレス。
誰と誰がどうなってんだ?
今よりも寿命は短いし、戦争は始まるし、治らない病気も多い。
いつやるの?今でしょ!って言葉がしっくりくる時代だったのだろうね。
ただ義務教育を終えて、なんとなく大学行って、社会人つまんないって言ってる私たちってなんなんだろう。ってふと思った。
andhyphen

andhyphenの感想・評価

4.0
すごい色彩。血の赤。ものすごく作りものの映像だとわかるのに、そしてえらく前衛的で物語がするっとは入ってこないのに、没頭した169分。若者たち(えっ?長塚圭史?と思ったのは否定しない)が抗えないものに対して抵抗するさま、生を輝かせ、散らす少女、なんというか何もかもが...強い。
映像の強さに幻惑され、登場人物たちの掴めない様に主人公同様翻弄され(窪塚俊介の翻弄され感ときたら半端ない)、そして否応なくやってくる戦火の色に暗澹とさせられる。
映像はコラージュめいていて、そして色彩の派手な使い方、光、影、エロス。観ていてひたすら幻惑された。大林宣彦監督はよくもまあこんな緻密な映画を作ったなあと感嘆してしまった。そして、彼の戦争というものへの強い姿勢を感じた。喪うもののなんと多いことか。
これだけ映像を強くしても、物語というかキャラクターが負けていなかった。
正直、こんなの一回観ただけで感想なんか言えるかい!という映画。
とにかく約3時間の上映時間に夥しい情報量の映像が炸裂する。
ただ、脈絡なくストーリーやエピソードが散らばっているのではなく、強調するところは過剰に強調する。大事なことなので3回言いました、みたいな感じとかこういうものはグルグル回って語ることだ、とか。

そもそもが言語で説明をするために表現している世界ではないので解釈はできるが、説明自体が非常に困難。というのと、説明すると実に陳腐な表現になってしまうジレンマ。

例えば描いているものは戦争なのだが、背景としては出てくるが直接の描写で出てこない。
ただ時代の空気というものがいかに若者を死に向かわせるかということをまさに映像言語的に、雄弁というよりも過剰に語ってくる、という印象。

そのため演出もひとつのテーマを語るための劇的演出というよりは、とにかくひとつの画面に対して執拗に膨大な情報量と、死に隣接するが故のエロスと芸術の接近具合に特化して描いている。

つまり空気として蔓延している「戦争」がジワジワと若者たちを死に至る病として蝕んでいく、若者たちは死を前提にした世界の中で芸術や恋、セックスを総動員で生を躍動させているということ。

恋も芸術も、死を前提にすると切実な生に直結するから貪欲だし、脇目もふらずに手当たり次第。
だからつまりこの映画に描かれているのは「乱行パーティ」なのである。
しかも直接的な乱行ではなくやはり映画的視覚的にイメージされた乱行パーティ。

肉体と精神の芸術を対置させる存在として鵜飼役の満島真之介のカリスマ性、肉体の表現力は壮絶。
若松孝二監督の「自決の日」では三島由紀夫に傾倒する森田必勝役だったが、まさに本作では三島由紀夫を彷彿とさせる拗らせマッチョ。
そして、対局に鎮座する太宰治的佇まいの吉良役の長塚圭史。
それぞれに肉体と精神を浪費しているのは「戦争に殺されるぐらいなら」という想いだ。

その中で適度に鈍感である意味で模倣的、傍観的に生き延びてしまう榊山役の窪塚俊介。
三島にも太宰にもなれなかったからこそ、現代に物語を語り継ぐ宿命を宿したのかもしれない。

常盤貴子も、矢作穂香も、門脇麦も、山崎紘菜も、死んでいく男とたちの中でとてつもなく悲しく寂しい青春を散らす。

1941年12月8日の開戦の時に。
物語においては戦争でみんな死んだ、という思い切りこそ、全てを物語で語り切ろうという大林宣彦監督の映画の力を信頼しきった演出にグッタリする。

こういう映画が単純に増えて欲しい。

前半混乱したけど、中盤からノリノリで観ていた。凄い作品だと思った。
でもね。正直に言えば、よくはわからなかった。
命の煌めきに彩られているのにどうしてこんなにも死の匂いが漂っているのか。
青春の日々と戦争の足音が全く同時に描かれる。
青春映画であり、ホラー映画であり、紛れもなく戦争映画。
そのあまりにも濃口なメッセージ性は下手をするとただ説教臭いだけで終わるが、死を覚悟した者が伝えるとこんなにも凄みを伴えるのかと。
しかし、余命幾ばくも無いとは思えぬ余りにも執拗な美の礼賛には驚いた。そう、単純にエロいのだこの作品は。
なんだあの薬を飲ませるシーンは!
なんだあの満島の肉体は!
なんだあの”接吻”は!
なんなんだあの太ももから滴る血液は!!
エロスとは生の象徴であり生を描くことで死を浮き彫りにする。
一瞬たりとも目を離せない衝撃の数々。確かに受け取りました。
kuge

kugeの感想・評価

-
うん。。。よく分からない。

戦時中、一歩先の未来で待つ死に向かって生きる少年?たちの話。
向き合いつつ逃避しつつ。

3時間目が離せない離れない。
「命を燃やす」ってこんな感じかな。

時代に殺された若者たち。

満島真之介と常盤貴子が美しすぎることだけは確実。
napolitas

napolitasの感想・評価

4.6
役者も台詞も音楽も絵も全部すごい好きなやつでした。出てるひとみんなエロい(主人公の兄さん以外)。長いけどテンポ良いし綺麗だからずっと見てたいってなりました。女子同士がいちゃついてるの見て泣きそうになったのは初めてでした。
約一年ぶり、2度目の鑑賞。
半年経てばDVD化されるだろう、と油断していたのが甘かった。夏からずっとこの日を待っていました。
2度目の鑑賞というだけあって、前回よりもずいぶん話の内容が理解できた気がする。
あの家に入ってきた世間の情報はただ一つ、号外の小さな紙切れだけ。
誰だって自分らしく生きたい、青春が戦争の消耗品だなんてそんなのまっぴらだ...
さて今のこの平和な!世の中では、誰だって自分らしく生きるという事が実現されているのだろうか?つまりはそれはいつだって、世間の価値観に揺れ動かされてしまうものなのではないのか?などと反発しつつ。
ただわたしの抱く反発心などは他所に、ただただ映像美に圧倒された。本当にすごい。そして音楽。そして思った、DVDになんて収まらないでほしいと。待って待って、待ち続けた先にまたこの映画と再開したい。
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