土屋ノリオ

花筐/HANAGATAMIの土屋ノリオのレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
4.2
『転校生』『時をかける少女』をはじめ、映画ファンから圧倒的支持を得続けている大林宣彦監督の最新作。クランクインする直前にステージ4肺癌が判明し、

「余命3か月」

の宣告を受け撮影・編集作業に並行して抗がん剤治療を継続し作り上げた本作。福岡県の叔母の家に身を寄せている主人公と個性的な友達と繰り広げる青春群像劇は

「幻想的な絵作り」
「細かいカット」

で大林宣彦らしい作品で十分に楽しめる。

『この空の花』、『野のなななのか』に続く「戦争三部作」の最終編として、戦争の恐ろしさを、世に訴えたいという思い。映画人としての最後のメッセージとして制作にあたったのだろう。現在は抗がん剤治療が奏効したことで病状が改善し、

「余命は未定」

と伝わっているが、監督にはまだまだ映画を撮り続けて欲しい!
土屋ノリオ

土屋ノリオ