自分が学生の頃はこんな授業もなかったし、もっともっと強い偏見があったと思う。
少しずつ間違った認識を改め正しく学んだ人達が次の世代に伝えていくことでどうにか、本当に少しずつだけど良い方向に変わってきているのかなと思う。
それでも日本はまだまだ理解が遅れている国なのは間違いない。
もうセクシャルマイノリティの人に出会ったことがないから分からないけれど…とは思わないようにしたい。
出会ったことがあっても打ち明けてもらったことがない、さらに自分が打ち明けるに値しない人間だったのだと思う。
保健室での男子生徒の軽はずみな言動にその場で注意しなきゃとか先生に疑問もあるけれど、無邪気な悪意というものに直面した時ってワンテンポ反応が遅れたり返す言葉が見つからなかったりするよなとも思った。
黒板の文字を消すシーン、消された側の気持ちを考えると辛く涙してしまうし、後から消した側の子が流す涙も切実なものだと思った。
エンドロールの会話はそれをさらに強く感じさせる。
カランコエの花言葉は劇中語られる「あなたを守る」以外にも「たくさんの小さな思い出」などもあるらしく、集まって咲くカランコエの花姿に由来しているそうだ。
集まって咲くカランコエの花は学生達とも重なるなと思った。
最初観た時は今田美桜以外の役者さん達を全然知らないからより実在感があると思っていたけど、そんなことではなく丁寧な演出と若い役者陣の命の輝きのようなものがこの作品の純度を上げているのだと思った。
あの女子達が広瀬すずの物真似をして似てる似てないとかキャッキャッやってる所とか素晴らしい。
またこういう監督の演出の今田美桜が観たい。