カランコエの花の作品情報・感想・評価

カランコエの花2016年製作の映画)

上映日:2018年07月14日

製作国:

上映時間:39分

あらすじ

とある高校2年生のクラス。ある日唐突に『LGBTについて』の授業が行われた。 しかし他のクラスではその授業は行われておらず、生徒たちに疑念が生じる。 「うちのクラスに LGBTの人がいるんじゃないか?」 生徒らの日常に波紋が広がっていき…。 思春期ならではの心の葛藤が起こした行動とは…?

「カランコエの花」に投稿された感想・評価

高校生の感受性の強さと、それを理解できていない大人の差異から生じた違和感により、疑念が生じたことが上手い。マジョリティ側の意識や心理を軸に据えるセンスに唸らせる。

LGBTの問題が次第に膨れ上がるシークエンスに、セミの鳴き声や吹奏楽の背景音楽や女子トークなどの高校生活の何気ない日常的な描写を挟むことが効果的。LGBTが絡む描写に対する振れ幅が大きくなることと、一気に膨れ上がることが上手い。

伏線は少々説明的だが抜かりない。疑念が確信に変わる大人の嘘によるアクセスポイントも効果的で、感受性が強い高校生にとって、〈嘘〉が社会に対する不安や不信感のメタ的にも。

日ごとのエピソードがぶつ切りカット的に暗転することに違和感を感じていたが、ラストに呼応することに関心する。

黒板のエピソードの言葉による発信できない切なさや、好きな女の子のフォローが的外れなことが何とも言えない。
しかし、情報発信者がふざけながら拡散していたのに、自分の許容範囲の一線を越えたら怒ったのか、LGBTの女の子が好きだからか怒ったのかの判別ができなくて残念。伏線の張り方も差が大きく、空気が変わった違和感や特定者を惑わせる描写なのか、経過した後に考えても分かりにくい箇所も。

本人は自覚していおないが、子供に対する大人の行動とLGBTに対する行動の根本的な問題が一緒に感じる、心象の絶妙な描写が特に印象的に。
マジョリティ側に焦点を置かれていただけに、エンドロールのマイノリティの会話が心に響く。上映館数が少ないが、映画館で見れて良かった。
中川駿監督の長編映画が楽しみに。
いろんなことが悔しい映画。
でも、現実自分を振り返るいいきっかけになるし
優しい人でありたいと心から思った映画。
愛する人の守り方を学びたい。
hachi

hachiの感想・評価

4.3
カランコエの花言葉は、あなたを守ります

LGBTの授業をキッカケにクラスに誰かいるんじゃないかという噂がかけめぐり思わぬ波紋が広がることに、、

そんな時、自分ならどうする?
犯人探しをしたり、噂話に終始したり、自分ごとのように心配したり、でも身近に迫ると意外と動揺してしまったり。

シーンが切り替わる暗転がやや長い
このテンポに何だか不安をあおられる


先生のクセが引き金を引く、伏線回収も上手く活かされていた。
当事者側に立って見ることになるのだろうと予想して見始めたが、最後はその友人に感情移入していた。
LGBTをメインの素材に使ってはいるが、ただの友情の話でもあった。
39分という長さも過不足なく、よい映画だった。
Chika

Chikaの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

エンドロールにやられた…
だからこそ保健の先生の行動の軽率さに腹が立つ。
たった数日前に聞かされた、しかも他の生徒が入ってきたことによって途中で終わってしまい「また話しに来ていい?」と言われたばかりの話を、何故あのタイミングでクラスメイトに話したんだろう。
桜がまた話しに来た時に、あの授業で話したようなことを個人的に伝えるのではダメだったのかな。
自分達のクラスにLGBTの人がいるんじゃないかと言い始めた男子2人から突っ込まれた時も、ちゃんと答えず保健室から出て行かせたのも腑に落ちない。せめて「キモい」と言ったことに対して叱ってほしかった。
他の方のレビューを読んで、当事者への取材は一切なく作った作品だと知りました。だけどLGBTのこと以前に、生徒が打ち明けた話に関することを本人への許可なく他の生徒に伝えるのは単純にデリカシーがないだけだと思う。
男子2人が突っ込んだことによって自身の行動が軽率だったと気付いたようだけど、フォローを他の先生に任せたのがまたややこしい。

桜が自分で黒板に書いたのは、きっと噂で毎日騒がれる位なら書いて気遣われて沈静化する方が良いと思ったのかもしれない。だけど実際は気遣われるのも苦しくて、居たたまれなくて。
カランコエの花言葉は、「あなたを守る」。
そう聞いていた月乃は桜を守ろうと「桜はレズビアンじゃないよ」と言ったかもしれない。だけど逆に傷付けてしまったんじゃないか、どうすることが一番良かったのか、そんな葛藤が最後の涙に詰まっているようで胸が痛かった。

花のち晴れで好きになった今田美桜ちゃんが主演ということで気になっていた本作。やっと観に行けたことは良かったし他のキャストも素敵でした。
笠松将くんは綾野さんに似ている。調べたら響-HIBIKI-で指折られた不良くんだったんですね。確かにそんな顔だったなと。その時は似てると思わなかったけどこの作品は凄く似てたのでちょっと気になる存在です。
peasuke

peasukeの感想・評価

4.5
39分のとても短い映画です。上映の後に監督と先生役の方のトークショーを拝聴してきました。

あと1分伸ばせばアカデミー賞に応募できたとのことです。「どうにかできないの?」とたくさん勧められたようですが、「でも伸ばしたくないし」と言い放つ姿に監督の作品愛を感じました。

役者の演技は即興方式をとっていて、とてもナチュラルです。高校生の「バカやって友だちと笑い合う」日常がリアルに描かれています。

だからこそ、楽しい日常が一変していく様子が悲しくてたまりませんでした。

若くて多感な時に、身近な人がLGBTだと知るというのは、どんな気持ちなのでしょうか。人を好きになるのに性別なんて関係ないと私は思っているけれど、実際にとまどってしまう気持ちも分かる気がします。あの子の行動は善意から生まれた行動。助けてあげたかったんだよね。でも…。悪意がない分、ラストとエンドロールがより切なかったです。

DVD化はしないようなので、皆さん劇場に足を運んでみてください。渋谷のアップリンクで上映延長と、違う映画館でも上映予定のようです。

ちなみに『カランコエの花』の鑑賞を「水やり」上映を続けようとする動きを「カランコエを止めるな!」と呼んでいるようです。

みんなで水やりして『カメラを止めるな』に続けですね。陰ながら応援しています。

2018.09.23
ムー

ムーの感想・評価

4.0
余韻が残るLGBTをテーマにした映画。

終始手持ちで撮影しているのか、
少しブレがあったが、それがこの映画に
登場人物達の緊張感を伝えてくる。

この重たいテーマに対して具体的な答えを提示しているわけではないが、
まだこのテーマを扱うのがグレーのように感じている日本にとって
大きな一石となったと思う。

正直、このような映画を待ってました。
TOTTO

TOTTOの感想・評価

-
『赤色彗星倶楽部』の手島実優がまた女子高生役と聞いて観に行った。
想像していた手島実優とまったく違った……。振り幅あるね。より好きになりました。
映画は、説明するところと説明しないところのバランスがそれでいいの?って感じ。間の取り方も苦手。
BBull

BBullの感想・評価

4.0
エンドロールでハッとさせられる。

偏見にどう対応すべきか考えさせられました。
短い上映時間の中で、登場人物たちも魅力的に映し出されていて良かったです。
HAL9000

HAL9000の感想・評価

3.9
なんで「カランコエの花」なんだろうって思って見てたけど、あのシュシュに込めた意味はちゃんと伝わって来た気がする。
わかった上でもう一度見たいかも。

他の方も書いてるけど、LGBTの当事者ではなく周りの人達の偏見や戸惑いを描くというのが良かった。

最後のスタッロールの時の音声にグッと来ました。

アップリンクで見たのだけれど、上映後に監督と先生二人(保険の先生と嘘つくとバレる先生)のトークショーがあって色々話を聞けました。

なぜ女子高生をメインで話を作ったのかとの質問には「女兄弟の中で育ったので、少女漫画とかには慣れ親しんでいて、少女を主人公にする事がわりと自然だった」みたいな事をおっしゃっていました。

確かに最近のミニシアターでかかる作品は女子高生同士の話が多い気はする。
『少女邂逅』とか
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』とか。
>|