颯馬

カランコエの花の颯馬のネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「お母さんは怖いとか思ったことないの?」というところでは、自分が好意を寄せられるなど自分ごととしては考えていない。

保健室の先生も、「キモイ」という発言に対してその場で注意しない。
のちに、薄っぺらい言葉でクラスに説明をする。担任も同等で責任逃れともとれる発言しかない。

理解する、とか分かってあげるという上から目線。

吹奏楽部という周りと合わせることが求められる部活。みんな黒髪のなか、そのなかでひとりだけ妙に目立つシュシュ

「自分を守る」という花言葉を知ってから、あらためてシュシュをつけている。
そして教室の空席をみながら悔しそうにそれを外す

カミングアウト以上に、好きな人への告白だった。その前に自転車の2人乗りで雰囲気がよかった。

想像がついているのに「なんかあった?」と明るいトーンでいったのは、自分を守るためのものだったのでは。

誰かからのアウティングとして「さくらはレズビアンじゃないよ」と消すシーン。
さくらにとっては、全体への追い詰められた暴力的なカミングアウトであった。それを大好きなひとから(人格ごと)否定されている。
あれだけ仲良いなら友だちの文字くらい知っているのでは??という疑問も残る。
そもそもノートを貸し借りする間柄だろうし。

犯人探しをしていた男の子の態度の変化は、さくらちゃんのことが好きだったんだろうか。

さくらは保健の先生の講義を臨んでいたんだろうか。

理解したふりをしている人がたくさんいる現状。

エンドロールの楽しそうな恋バナの雰囲気と、「苦しそうに話していた」のズレ。
人々がLGBTQのひとは、苦しんでいるという前提に置いている。

自分の周りにLGBTのひとがいるだけで、LGBTを理解した気になっいるひととしての表現。=アウティングした子、保健室の先生。
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