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デイアンドナイトのnjrのレビュー・感想・評価

デイアンドナイト(2019年製作の映画)
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これは最近観た邦画のなかでかなり上位かもしれない。藤井監督やっぱ好き。
少ない台詞でも画力で引き込まれるイントロ、絶妙なシーンでのタイトルコール。たまんないよね。

善悪を問うテーマ自体好きではあるけど、ただ堕ちていくのではなく、悪事と平凡な日常の溶けあう様がよかった。
空は緑かもしれないし、何が正解か間違いかなんてことで自らの言動を正当化せず、恐ろしくても考え続けることが、ある種の正義や善行であるのかもしれないな。わかんないけど。

施設長の北村、あらすじ読む前に出てきたんだけど、登場数秒でも信用ならない奴感が滲んでて最高。そしてたまに出てくる青柳くん(笠松将)が目の保養。
「盗んで売るってことですか?大丈夫なんですか?」って台詞で、ああ、このひとは善悪の判断がゆるくて流されやすいんだなぁ…と一気に先行き不安に。大丈夫なわけなかろうに。
三宅や川上より、山口?(山中崇)が個人的にダントツ嫌いだった。もう苛立ちが血管にくるというか……いやぁ名演……。

藤井監督作品の「え?これなんの光?こんな光源普通ある?」となるような、リアルじゃないけど心情をごっそり落とし込む光と色合いがとても好き。
夜の撮影も素敵だったけど、食堂の、レースカーテンを透かす目が眩むような真っ白な光も良かった。嘘くさいほど眩しくて、顔の陰影がくっきり落ちる。

あと50:00〜あたりからのモンタージュ、映画で久々に鳥肌立った〜!!
昼と夜。子供たちのために玉ねぎを剥く自分と、集金した金をめくる自分。朝と夜で向きを変える風車。
どれもが同じ町で、自分で、風車なんだけどね。

最後の一歩も後退りせず抱き留めた奈々ちゃんの聖母っぷり。これは清原果耶ちゃんのファンになってしまう。わたしも「嘘だよ、ロリコン」って言われてえな〜。
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