善と悪、正しいことって何?
父が自殺したという訃報を聞き、実家へ駆けつけた明石。父は大手企業の内部告発をしたことで世間から目の敵にされ、精神的に追いやられていた。
父の事務所へいくとそこに居合わせた北村という男と出会う。北村は父にお世話になったから連絡してくれと、明石に児童施設の名刺を渡し、その場を立ち去る。
北村の児童施設を訪ね、何か父のことがわかるかもしれないと北村の仕事を手伝うことになった明石は仕事の傍らで父の復讐を試みていく。
間違いを正そうとして悪人扱いされるもの、正義のために悪事を働くもの、悪を権力で正とするもの、悪を悪で返すもの、言わない正義、たくさんの人間が存在しており、正義と悪の概念は人それぞれであることをテーマにしている。
誰が正しいとか、間違っているとか、誰にわかるのだろうか?その価値観は人それぞれであり、悔しくも咎められない正義もあるのだ。
その様子を昼と夜、児童施設で育った純粋な子供たちと汚れた夜の世界の対比で表現しており、かなりスタイリッシュな作品となっている。
そんな対比や善悪の表現における映像・シーンの切り替えやカメラワークがものすごくよかった。
また、役者さんの演技が凄すぎてのめり込んでしまった。
田中哲司さん、ああいうくそじじいみたいな役似合いすぎ😂
藤井監督の作品の中でもお気に入りの一本となりました。